「前川孝雄の『上司力(R)』トレーニング~ケーススタディで考える現場マネジメントのコツ」では、現場で起こるさまざまなケースを取り上げながら、「上司力を鍛える」テクニック、スキルについて解説していきます。
今回の「CASE 13」では、「本人のために」と注意しても、素直に聞こうとしない部下のケースを取り上げます。
「君のためなのが、わからないのか?」
【上司(課長)】A君。この報告書だが、少しポイントがズレてるんじゃないか?
【部下(A君)】そうですか? 先日の会議で決まった方針に沿ってまとめたつもりですが。
【上司】ちゃんと会議記録を取ったのか? 自分の主観だけの整理じゃダメだぞ!
【部下】課長のイメージと合わないのでしたら、修正しますが...。
【上司】なんだ! 人の感覚のせいにするのか? 自分の反省が先だろう。詰めの甘さと言い訳が先に立つのは、悪い癖だぞ!
【部下】しかし、会議の結果とはさほどズレていないと思いますし、指摘されている理由がよく理解できませんので...。
【上司】君のために敢えて注意しているのがわからないのか? もっと素直にならないと、スキルアップもできないぞ!
【部下】はあ...(いつも「君のため」と言いながら、意見を押し付けるだけなんだよな!)