日本の自動車産業「斜陽化」への危機感 経団連、豊田章男氏らが指揮執る「モビリティー委員会」議論始まる...国際競争で生き残りかけて

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業界横断で200社超の参加、現職経団連会長の委員長就任は異例

   経団連の委員会のメンバーが業界横断で200社を超えるのは過去にあまり例がない。

   しかも、モビリティー委員会の委員長は豊田氏に加え、経団連会長の十倉雅和氏(住友化学会長)、日本自動車部品工業会の有馬浩二氏(デンソー社長)が就任し、3人体制とした。

   委員長3人というのは珍しくないが、現職の経団連会長が就任するのは初めてという。これは経団連として、日本の自動車産業への「危機感」の現れに違いない。

   十倉会長は9月20日の記者会見で、モビリティー委員会について「モビリティーに焦点を当てているので、自動車以外にもいろいろある」と前置きしながらも、「自動車は非常に経済波及効果が広く、何よりも日本が(国際競争で)残っている唯一といっていいほどの基幹産業だ」と発言。「モビリティー産業というか、自動車産業の成長と、抱える課題を広く議論しようという委員会だ」と指摘した。

   この発言の背景には、トヨタを筆頭とする、日本の自動車メーカーの危機感がある。

   日本はトヨタが1997年に世界初の量産ハイブリッドカー「プリウス」を発売し、世界をリードしたが、近年は米テスラや欧州メーカーの電気自動車(EV)に環境対応の次世代技術と販売実績で先を越されている。

   日本は三菱自動車が2009年に「アイミーブ」、10年に日産自動車が「リーフ」を発売。いずれも世界初となる本格的な量産EVだったが、テスラほどの革新性はなく、市場をリードできなかった。近年は販売台数でBYDなど中国の新興メーカーの後塵を拝している。

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