きょうは50代のTさんがいらっしゃっています。
「コロナ禍になって、ずっと在宅勤務が続いています。コロナ禍当初は、移動が減った分がなぜか、仕事の時間に置き換えられてしまったため、忙しくなったなと感じていましたが......。それからずっと、『忙しさ』が当たり前になってしまって、疲労感でいっぱいです。慢性化しているので、このままこの過ごし方が続くのは辛いなと思っているところです。時間は大事だと言いますが、『どのように大事にするのか』時間が取れないため、考えられません」
時間に対する考え方を変える
Tさんのように在宅勤務の中、多忙な毎日で疲れ切っている方もいれば、在宅勤務になって「コロナ前よりも時間に有効に使えている」「自由な時間も増えた」と幸せそう方もいます。この2つのパターンの違いは何でしょうか。
大きな違いは「時間の使い方」にあります。時間に対する考え方自体を変えていかなければなりません。「こんなに忙しいから時間がない、休む時間があったらとっくに休んでいるよ」と言われそうですけどね。そして「時間は大事」と言いますが、うまく時間を使えている人は少ないのではないでしょうか。
在宅勤務ができるようになったことで、「どこでも仕事ができることは、いつでも仕事ができる状態でもある」ので、仕事以外の時間は強制的につくらないといけないんですね。幸せそうな人は「自由な時間は自ら作り出すもの」という考え方で過ごしているのです。
たとえば、お客様との商談の帰り道に、「冷房の効いた喫茶店でホッとする時間」のようなひとときを仕事の合間にうまくつくれている人は、ストレス少なく過ごせているのかもしれませんね。
何もやらないことに対しての「罪悪感」を捨てる
普段から忙しく過ごしていると、「何もやらない時間」や「休む」ことに対して、罪悪感が生まれてくるようになります。「休んだら遅れてしまう」「止まってしまうことがもったいない」と感じたこともあるでしょう。
時間の使い方にはメリハリが大事だと言いますが、仕事でも同じです。慢性的に疲れて仕事をしているとストレスが溜まり、実際に仕事に対しての効率はよくありません。
年中体調が悪いと言いながら夜遅くまで仕事している人もいますが、働きぶりを見ても「効率がいい働き方」には到底見えませんよね。逆に、定時に帰ってスッキリとした感じで仕事をしている人こそ、仕事が早かったりします。
そして、何もしないことに罪悪感を感じつつ、忙しいと言いつつ、夜はずっとスマホをみていることもあったりしますよね。これでは、なかなか頭が休まりません。
このような時間を使って「買い物は少し離れたスーパーに歩いて行く」「スマホをみている夜の30分を読書時間にかえる」など、ちょっとした時間をやりたいことに使うだけでも気持ちの切り替えができるのかなと思います。自分のやりたいことに時間を使えるので、罪悪感も減るはずです。
「月給」を見るのではなく、「時給」で考えてみる
「時間の使い方を自分の時給を考えてみる」という考えは、ハーバード・ビジネススクールのアシスタントプロファッサーであるアシュリー・ウィランズが書いた「TIME SMART(タイム・スマート)」という本に書かれています。
月給を見るのではなく、働いている時間から自分の時給を出してみるのです。時給計算すると、思ったより少なかったら仕事に時間を使いすぎているかもしれません。
たとえば、節約したいと少しでも安いものを求めて自宅から遠くのお店に行くとして、時間が往復で2時間かかって、もし節約できたのが500円だとしたら......。
「2時間かけて500円の節約」は、果たして時間の使い方としてはどうでしょうか。往復の時間を楽しく過ごせたら別ですが、2時間で読みたい本を読むなど、他に有効な時間の使い方はありそうですよね。
さきほど自分の時給を計算したと思いますが、これから起こす行動に対して、「時給だといくら分なのか」と考えると、「付き合いでいく2時間くらいの飲み会」はそれだけの価値があるのか考えやすくなると思います。
時間は有限というように、「何に時間を使うか」を日常の中でうまく選択できている人が、幸せなのかもしれませんね。Tさんも目の前の行動が本当に必要なものなのか、ぜひ時給計算で考えてみましょう!
私も日常を忙しくしてしまってうまく休めていないタイプなので、気をつけたいと思います。
(ひろ子ママ)