仮想通貨、諸外国の状況は?(明治大学 城正人さん)
諸外国のキャッシュレス決済の普及状況について触れた前回。今週(9月19日週)は仮想通貨決済の普及状況に焦点を当てていきます。
まず、普及状況の実体験に入る前に今後の普及にも影響するであろうニュースが今週飛び込んできました。「米コロラド州でpaypalを通じ、ビットコインを用いて納税することが可能に」というもの。税金の納付がビットコインで可能になるとは驚きです。
どんどん利用できる場面が増加していることを踏まえたうえで、世界の実態はどのようなものなのでしょうか。渡航前は米ニューヨークでは市長が給与をビットコインで受け取るなど先進的なイメージがありました。実際のところどうなのか。本当に決済に利用できるのか、かなりワクワクしておりました。
結果からいうと、ニューヨーク滞在中ビットコイン決済を行うことは叶いませんでした。日本では少額決済であれば、ビットコインを家電量販店(ビックカメラ)で決済に利用することが可能ですが、より先進的であると考えていたニューヨークですらその状況。
また、友人によるとMIT(マサチューセッツ工科大学)周辺では唯一決済に利用できる場面を見かけたものの、ヨーロッパ諸国やオーストラリアではほとんど見かけなかったとのこと。少々残念な気もしますが、今後の普及に期待といったところでしょうか。
じつは、仮想通貨は無視されているのか――。諸外国で仮想通貨による決済がほとんど利用されていなかったことは前述のとおりですが、無視されているのかというとそんなわけではまったくありません。
コンビニエンスストアにはLibertyXという現金からビットコインへの交換が可能なATMが設置してありましたし、現地企業も興味を持って対応しているようでした。
たとえば、日本では暗号資産関連への投資を行っているファンドは数が限られる一方、米国においてはweb3関連の事業を行っている企業などに投資をすることは一般的になりつつあるよう。決済手段というよりも、一つの資産として取り扱われていたように感じます。
◆ まとめ
今週は世界各国の仮想通貨の状況について取り上げてきました。想定していたよりも決済手段としての利用は少ないものの、投資の観点からはかなり積極的に活用されていることが学びでした。
確かに決済手段として使うには遅い、大量の決済に耐えられないなどの問題があるという点が大きいと考えます。
ようやく始まったETH(イーサリアム)2.0が、この現状に対して、どう風穴を開けるのかを注目していきたいですね。
◆ 今週の取引
なし
保有資産
ビットコイン 0.0001枚 現在1枚当たり272万4025円 評価額は2724円
保有現金 7010円
前週からの損益 マイナス82円
9月23日現在 9734円
◆ 池田昇太のワンポイントアドバイス
ビットコインで納税が可能になるというニュースは、たしかに驚きですね。
仮想通貨を決済手段として用いられるところは多くない一方で、ビットコインを納税手段とされたところを見ると、コロラド州は「ビットコインを資産として持っておきたい」という想いがあると考えられそうです。また、仮想通貨の決済については、少しずつ進んでいく可能性は高いと思われます。実際にエルサルバドルがビットコインを普及させる際に、「Flexa」という決済業者のライトニングネットワークのサービスを利用していました。
今後、似たような決済業者やサービスが増えれば、ビットコインの少額決済も可能になると考えられます。
2021年に引き続き、出場します! 投資対象として仮想通貨に興味を持つも、その技術の持つポテンシャルに惹かれDapp開発に着手。投資家としてだけでなく、開発者としての視点からの投資戦略も立てていきます!
Twitter: https://twitter.com/dennoah_jo
◆ 取引はお休みしました(東京大学 迫嵩明さん)
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
9月23日現在 1万円
学生投資連合USIC代表
高校3年生の時に株式投資のおもしろさに目覚める。日本株、米国株、仮想通貨投資を行う。長期的に伸びる市場でビジネスを展開している企業に長期投資することをモットーとしており、テンバガーを虎視眈々と狙っている。 金融を学ぶ「おもしろさ」、投資を始める「意義」を多くの人に知ってほしいと切に願う。
学生投資連合USIC:https://www.usic2008.org/
◆ ◆ アドバイザーのプロフィール
フリーランスのWebディレクター。金融系メディアを対象に執筆やディレクター業務に従事。投資歴7年。FXと仮想通貨をメインにトレードしています。ファンダメンタル分析よりかはテクニカル分析を好む。最近はNFT(非代替性トークン)の詐欺事例、法的問題について関心あり。
大学対抗戦「暗号資産バトル」競技ルール
・元本は1万円。
・通貨の選定は自由。ただし、国内の事業者で買える暗号資産に限定。
・レバレッジはかけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)とする。
・元本割れは1回まで。2回、資産を失った場合は、その時点でリタイアとする。
・運用期間は6か月。最終週時点での資産増減額で順位を決める。
学生投資連合USIC
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/