商品企画は日本中心、生産は海外...コスト増の「逆風」、乗り越えられるか?
アダストリアは「グローバルワーク」「ニコアンド」「ローリーズファーム」などのカジュアル衣料ブランドをショッピングモールや駅ビルの店舗、ネット通販で展開する。
コロナ禍を克服しつつある2022年2月期連結決算は売上高が前期比9.6%増の2015億円、営業利益が8.6倍の65億円、最終損益は49億円の黒字(前期は6億円の赤字)。2022年3~5月期連結決算は売上高が前年同期比25.0%増の580億円と好調で、株価も足元で上昇基調にあった。
フォーエバー21の国内運営にあたっても、「脱ファストファッション」を全面に出す。
1号店は2023年4月にオープン予定だ。平均商品単価は4000円程度になる見通しで、初年度の春夏商品は約8割をアダストリアが企画し、日本人の体型などに合った商品を販売する。
ターゲットは10~30代の女性に置く。ただ、日本で商品は企画するが、生産はアジアとはいえ海外だ。物流コストの高騰や円安の悪影響が重なるなかでの再出発という意味でも「格安」ではいられない。
そうした逆風をどう乗り越えられるかが課題となりそうだ。(ジャーナリスト 済田経夫)