成城石井とローソン...相乗効果、もうひとつ発揮できず
ローソンは2014年、親会社である三菱商事系の投資ファンド「丸の内キャピタル」から550億円(有利子負債を含む)で成城石井の全株式を取得して完全子会社化。成城石井自体の業容は、買収時点の約120店、売上高約600億円から着実に成長しており、ローソンとして、子会社経営という点では成功と評価できるだろう。
問題は最大のねらいである相乗効果だ。
むろん、ローソンの商品を成城石井で販売するという選択肢はなく、ローソンで成城石井のPB商品などを扱うということだ。
2018年には北海道や宮崎で商品棚の一角に「成城石井コーナー」を設け、菓子や加工食品、冷凍ピザを並べはじめ、そうした報道が注目され、期待されもした。成城石井の商品は単価が高いことから、ローソンの客単価のアップにつながるとの期待もあった。
ただ、結論としては、絵に描いた餅に終わった。ちょっと高いが価値のある商品を得意とする成城石井と、日常的な買い物が主のコンビニでは、客層が違ったということだろう。