「為替介入を始めた以上、突っ走るしかない」
「為替介入を始めた以上、突っ走るしかない」と檄を飛ばすのは明治安田総合研究所フェローチ-フエコノミストの小玉祐一氏だ。
小玉氏はリポート「財務省が円買い介入、日銀はすえ置き」(9月26日付)のなかで、「ひとたび介入に踏み切ったからには、過度な円売りが収まるまで、腰をすえて介入を続ける必要があるだろう」として、こう述べる。
「市場はこれから当局の『本気度』を見極めにかかる。介入の持続性に多少なりとも疑念を抱かれるようなら、円売りは止まらない。足元を見透かされる分、介入前よりもさらに円売りドル買いが加速するかもしれない。逆に、市場に財務省の『本気度』を理解させることに成功すれば、介入を止めても円売りドル買いは鎮まる」
ただ、円買い介入は円売り介入と異なり、外貨準備を消費するため、無限にできるわけではない。しかし小玉氏は、現時点で外貨準備の枯渇を気にする必要はない、というのだ。
「円安、株安、債券安という本格的な日本売りを招く可能性がないわけではないが、おそらく長期戦にはならない。米国の利上げサイクルのピークアウトが見えるまでの勝負である。(中略)時期についての市場の見方はまだ割れているが、米国が早晩景気後退に陥るとの見通し自体はほぼコンセンサスである。
市場とのせめぎ合いが長期化すればするほど、財務省は不利に立たされるが、米国の利上げ停止が視野に入るまで待つ必要はなく、0.75%の利上げ幅が0.5%に縮小するだけでも、為替相場は利上げ終了を織り込むフェーズに移っていくだろう。それまでの時間稼ぎということであれば、介入の継続は十分可能と考えられる」
いずれ米国が景気後退に陥ることは間違いなく、その時まで耐え抜けばよいというわけだ。
(福田和郎)