社内に眠れる「宝の山」顧客情報、ビジネスにつなげるには? ホワイトペーパー作成&アンケート協力依頼のテクニックとは〈その6〉(大関暁夫)

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意外と手間のかかるホワイトペーパー、ラクに作成する方法とは?

   このように、オリジナルのホワイトペーパーを作成するのは、意外に手間のかかる作業でもあります。そこで、少しラクをして作成する方法を伝授します。

   それは、自社の製品やサービスを採用して、効果が上がった取引先の事例を複数紹介して、一本のまとまったホワイトペーパーに仕上げる方法です。

   この場合、かなりストレートな内容になるので、特にタイトルには製品・サービスPRを前面に出さずに、「マル秘情報!○○削減の効果的な取り組み」とか、「××増強の秘策教えます!」といった表現で、見せるやり方がベターでしょう。

   取引先情報に乏しいとか、既に取引先情報をメルマガで提供してしまっているといった場合には、別の方法があります。

   それは、新規でのアンケート調査のとりまとめによるホワイトペーパー作成です。

   「○○に関する各社の取り組み状況調査」とか、「××に向けた各社の考え方調査」といったタイトルで、取引先に匿名のアンケート協力をお願いして、それをまとめるのです。

   もちろん、実施の際の大義名分は「お客さまサービスの向上を目的として」ということであり、「集計結果およびレポートは還元させていただきます」ということを付け加えてお願いするのがいいでしょう。

   ここで重要なのは、このアンケート調査への協力のお願いをすると同時に、メルマガ登録先の企業に対しても送付することです。

「『〇〇調査』というアンケート調査を企画しております。ご協力をいただけた会社様には、集計結果をまとめたレポートを無料で差し上げますので、ぜひご協力のほどよろしくお願いいたします」

   こういったメッセージとするのです。

   アンケートの調査テーマに関心がある先は、他社状況を知り得るチャンスなので、応募してくれる確率が高くなります。応募があった先は、テーマに関するニーズがあるということが分かる、という仕掛けです。

   協力を引き出すアンケート調査にするためのポイントは、調査テーマの取り方に尽きます。潜在的ニーズがある企業が関心を持ってくれそうで、かつその対策として自社の製品・サービスの活躍が期待できる、そんなテーマを探すことが重要です。

大関 暁夫(おおぜき・あけお)
株式会社スタジオ02 代表取締役 企業アナリスト
東北大学経済学部(企業戦略論専攻)卒。1984年、横浜銀行に入行。現場業務および現場指導のほか、出向による新聞記者経験を含めプレス、マーケティング畑を歴任。全国銀行協会出向時には対大蔵省(当時)、対自民党のフロントマンも務めた。中央林間支店長に従事した後、2006年に独立。銀行で培った都市銀行に打ち勝つ独自の営業理論を軸に、主に地域金融機関、上場企業、ベンチャー企業のマネジメント支援および現場指導を実践している。
メディアで数多くの執筆を担当。現在、J-CAST 会社ウォッチ、ITメディア、BLOGOS、AllAboutで、マネジメント記事を連載中。
1959年生まれ。
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