減産は世界需要の0.1%程度、相場への影響は限定的か
こうしたさまざまな要素、多くの国の思惑が入り乱れ、原油価格の今後の動向はなかなか見通せない。
OPECプラスの今回の減産は世界需要(日量1億バレル程度)の0.1%程度にすぎず、相場への影響は限定的という見方で、専門家は一致するが、先行きについて意見は分かれる。
あるエコノミストは、「OPECプラスが、減産に機動的に取り組んで価格を支える意思を明確にした意味は大きく、原油価格は年末に向け1バレル=90ドル程度で高止まりする」とみる。
別のエコノミストは「暖房需要が高まる冬にかけ、価格が再び100ドルを突破することも考えられる」と指摘する。
他方、「需要低迷による供給過剰は2023年前半にかけて続くとみられ、欧米が原油の調達先をロシア以外に切り替えが進めば価格は現状より下がっていく」(石油アナリスト)との声もある。(ジャーナリスト 白井俊郎)