神経とがらせる日米欧...ロシア産石油の輸入価格への上限設定は機能するか?
一方、日米欧などはエネルギー価格上昇によるインフレという共通の困難を抱えているだけに、今後の需給と価格の動向に神経をとがらせている。
注目されるのは、主要7か国(G7)が合意した12月からのロシア産石油の輸入価格への上限設定。対ロ制裁の一環でロシア産原油の輸入停止を決めているが、インドや中国が輸入を増やすなどロシアの輸出は大きく減らず、価格高騰でむしろ輸出収入は増えたとの分析もあるため、ロシア産の価格に上限を設けて打撃を与えようとしているのだ。
ただ、実効性は不透明だ。
ロシアは上限価格を設定する国には売らないと反発し、実際にロシアが輸出を制限すれば需給が逼迫しかねない。もちろん、ロシアも価格上昇のプラス面だけでなく、輸出量が減るマイナス面もありえるだけに、両者を天秤にかけることになる。