仕事の目的がしっかり伝わると、部下の行動が変わった!
こうした取り組みを始めて、半年ほどたったある日のこと。大雪が降って車両が泥だらけになってしまった日の翌日、支店長が目にしたのは、車両を一生懸命に掃除するたくさんの社員の姿でした。なんの指示も出していないのに、その日に出勤していた社員のうち、なんと8割近くが自主的に車両を磨いていたとのこと。支店長は、胸が熱くなるのを覚えたといいます。
この事例では、「車両を掃除する」というルールを作って指示をしても行動を変えなかった部下たちが、「掃除という仕事の目的」を理解し納得したことで、自律的に動くようになったのです。指示待ちどころか、何も言わずとも部下を動かすのが「仕事の目的」を伝えることのパワーです。
みなさんもぜひ、チームの仕事の目的をしっかり整理し、部下と共有してください。それを日々繰り返すことがチームのやる気を高め、いずれチームのパフォーマンスを飛躍させるでしょう。
※「上司力」マネジメントの考え方と実践手法についてより詳しく知りたい方は、拙著「本物の上司力~『役割』に徹すればマネジメントはうまくいく」(大和出版、2020年10月発行)をご参照ください。
※「上司力」は株式会社FeelWorksの登録商標です。
【プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお)
株式会社FeelWorks代表取締役
青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授
人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業FeelWorksを創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人 企業研究会 研究協力委員、一般社団法人 ウーマンエンパワー協会 理事なども兼職。連載や講演活動も多数。
著書は『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『コロナ氷河期』(扶桑社)、『50歳からの幸せな独立戦略』(PHP研究所)、『本物の「上司力」』(大和出版)等30冊以上。近刊は『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks、2021年9月)および『50歳からの人生が変わる 痛快! 「学び」戦略』(PHP研究所、2021年11月)。