「作業」ではなく「仕事」を任せる
みなさんはここで、「仕事」と「作業」を区別して考えられるようになってください。
私がここで言う「仕事」とは、目的に納得しており、工夫する余地があり、その人に任されたもののことをいいます。上司は部下に対して「仕事」を渡し、目的に対してどのように工夫するかを部下自身に任せることを意識的に実行しましょう。
冒頭のケースで考えてみます。この上司は、資料を部下に渡し、「20部ずつコピーして」と頼んだだけです。これは単なる「作業」の指示ですから、部下は言われた通りの作業をこなすだけです。
しかし、もしも「会議室で大事な幹部会議がある。円滑に進むように、参加者20人のために資料を準備してほしいんだ」と頼んだらどうでしょう?
会議場所を教えてもらえば、「事前に会議室の机の上に資料を帳合いして並べておこうか」と考えるかもしれません。幹部会議なら年配者が多いと考え、文字が小さな資料は読みやすく拡大コピーにしようと思うかもしれません。
ただ単に、「20部コピーをとって」と頼まれるのとでは、工夫の余地が違うのです。