【1万円からはじめる暗号資産】ザ・マージでイーサリアムはどうなった? 学生トレーダーは動かず【暗号資産バトル 第16節】

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ザ・マージ完了も材料出尽くし......(明治大学 城正人さん)

◆ 市場の動向

   ザ・マージ完了も、材料出尽くし感が否めずといった模様。良くも悪くも目立ったトラブルなく順調に移行は進み、DeFi(分散型金融)崩壊の危機、イーサリアム関連の製品に壊滅的な影響が出ることもありませんでした。当初の盛り上がり方に比べると話題性にかけているようにも感じますが、技術的には上等な結果といえます。

   しかし、一方で投資の観点からはどうでしょうか。コンセンサスアルゴリズムがPoS(プルーフ・オブ・ステーク=コインを持っている割合でブロックの承認の割合を決める仕組み)へと移行した『本家』ETH(イーサリアム)とPoW(プルーフ・オブ・ワーク=暗号資産取引を正しくブロックチェーンにつなぐための仕組み)を継続するETHは目論見どおり分離。本家ではなくなったETH(PoW継続)は分裂前1枚当たり40ドルを超えていましたが、分裂後は投資家の売りが進み8ドル付近まで下落。投資の面からいうと正直散々な結果に終わりました。

◆ 各国の動向

   さて、先週は各国の規制状況、税制について取り上げてきました。しかし、実情はどうなのでしょうか。エルサルバドルでは昨年ビットコインが法定通貨として認定されましたし、日本でも大手家電量販店の決済にビットコインが利用できるなど地道に利用できる場が増えています。

   イーサリアムも今週の「ザ・マージ」のアップグレードを経て、今後さらに手数料が安く、処理速度が高速化していくと考えられます。投機から実需へ、大きく変革を遂げるかもしれない仮想通貨市場。夏休み期間を利用して海外へと渡航した私や友人の経験談を総合し、世界各国の現状を取り上げていきます。

◆ キャッシュレス化について

   各国の状況を付き合わせてみても日本と比較するとどの国もキャッシュレス化、特にクレジットカードの普及が進んでいます。電車やバス、公共交通機関ではすべて「visaタッチ」に対応していてsuicaのようにカード、スマホをかざすだけ。唯一クレジットカードが利用できなかったのは街中の怪しげな露天だけという結果に。結局、私は最後まで両替所にいくことなくアメリカ滞在を終えることができた点がかなり衝撃的でした。

   しかし、QRコード決済については圧倒的に日本の普及率が高く、長い時間をかけクレジットカードが利用されてきたという地域性を実感しました。

◆ まとめ

   今週は世界各国の仮想通貨普及状況「前編」として仮想通貨決済普及の前提となる「キャッシュレス化の進捗」についてフォーカスしてきました。経済産業省の調査によると、日本でもキャッシュレス比率は35%程度まで年々急拡大しています。各国の情勢と比較すると随分低いですが、やはりキレイなお札が流通し、治安が良いというのが要因に挙げられるでしょう。

   さて、来週はどの程度ビットコイン決済は普及していたのか、また現地の企業がweb3やFintechなどについてどのように考えていたのかについてフォーカスしていきます! お楽しみに。

◆ 今週の取引

   なし

保有資産
ビットコイン 0.0001BTC (1枚あたり280万6141円のため、評価額は2806円)
現金  7010円
合計  9816円

前週からの損益    マイナス259円
9月16 日現在          9816円

◆ 池田昇太のワンポイントアドバイス
ザ・マージは特に問題なく終了し、プロジェクトとしては成功ですが、イーサリアム自体の値上がりは見られませんでしたね。ハードフォークしたコインも一度は50ドル辺りまで上がったものの、10ドル以下まで急落しています。
しかし、ご存知のとおり、今後のイーサリアムはトークンの供給量は減り、高速化もしていく予定です。プロジェクトそのものが評価され、価値を認められていく可能性はあるでしょう。
また、キャッシュレス化について日本も徐々に進んでいるんですね。偽札の流通量の多い国などではキャッシュレス化は必要と思いますが、日本ではキャッシュレス化に踏み込む積極的な動機がないのではないかと感じていたため、35%まで進んでいるというお話には驚きました。
城 正人(じょう・まさと)
城 正人(じょう・まさと)
明治大学経営学部
2021年に引き続き、出場します! 投資対象として仮想通貨に興味を持つも、その技術の持つポテンシャルに惹かれDapp開発に着手。投資家としてだけでなく、開発者としての視点からの投資戦略も立てていきます!
Twitter: https://twitter.com/dennoah_jo

◆ 取引はお休みしました(東京大学 迫嵩明さん)

前週からの損益    プラス・マイナスゼロ
9月16日現在               1万円

迫 嵩明(さこ・たかあき)
迫 嵩明(さこ・たかあき)
東京大学文科二類2年
学生投資連合USIC代表
高校3年生の時に株式投資のおもしろさに目覚める。日本株、米国株、仮想通貨投資を行う。長期的に伸びる市場でビジネスを展開している企業に長期投資することをモットーとしており、テンバガーを虎視眈々と狙っている。 金融を学ぶ「おもしろさ」、投資を始める「意義」を多くの人に知ってほしいと切に願う。
学生投資連合USIC:https://www.usic2008.org/

◆ ◆ アドバイザーのプロフィール

池田昇太(いけだ・しょうた)
池田昇太(いけだ・しょうた)
池田昇太(いけだ・しょうた)
フリーランスのWebディレクター。金融系メディアを対象に執筆やディレクター業務に従事。投資歴7年。FXと仮想通貨をメインにトレードしています。ファンダメンタル分析よりかはテクニカル分析を好む。最近はNFT(非代替性トークン)の詐欺事例、法的問題について関心あり。
大学対抗戦「暗号資産バトル」競技ルール
・元本は1万円。
・通貨の選定は自由。ただし、国内の事業者で買える暗号資産に限定。
・レバレッジはかけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)とする。
・元本割れは1回まで。2回、資産を失った場合は、その時点でリタイアとする。
・運用期間は6か月。最終週時点での資産増減額で順位を決める。

学生投資連合USIC 「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/

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