「パウエルショック」で始まった日米金融市場大荒れ! 政府・日銀の為替介入に勝算は? エコノミストはどう見る?「焼け石に水」「逆効果」「タイミング次第で」

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「より高く、より遠くの利上げ」「FRBに逆らうな」

米国の景気後退懸念で急落した東京証券取引所
米国の景気後退懸念で急落した東京証券取引所

   さて、FRBの大幅な利上げと日米の株価下落をエコノミストたちはどう見ているのか。

   ヤフーニュースのコメント欄では、第一生命経済研究所 経済調査部 主任エコノミスト藤代宏一氏は株価急落の理由をこう解説した。

「一般的に国債金利が上がると株価に下落圧力が生じます。今回の利上げおよびその継続方針を受けて米2年金利は4%に達しました。換言すれば、安全資産の国債で年4%も利益が見込まれる状況になったということです。
そうした状況ではリスク性資産である株式を保有・取得する誘因が弱くなります。ゆえに国債利回りの上昇は、株式の相対的魅力を低下させます。予想以上の利上げ方針が示され、株価が下落したのはこうした事情があります。『FRBに逆らうな』という格言がありますが、今年はその通りになっています」

   日本経済新聞オンライン版「FRB、3回連続の0.75%利上げ 年末4.4%で景気に試練」(9月22日付)という記事に付くThink欄の「ひと口解説コーナー」では、丸紅経済研究所の今村卓所長が、景気減速もやむなしと決断したFRB大幅利上げの背景をこう説明した。

「逼迫した労働市場の下で高いインフレと賃金上昇のスパイラルが生じつつあることが、FOMCに大幅利上げとその継続を決断させたと思います。高インフレ下で労働者は生活水準の維持のため大幅な賃金上昇を要求、人手不足に直面する企業は受け入れ、膨らむ人件費は値上げによる売上増で吸収。
それが新たなインフレ圧力を生み、労働者は一層の賃金上昇を要求。このスパイラルはインフレを抑えないと止まりません。(中略)パウエル議長の言う通り、インフレ抑制をやり遂げるまでは、景気後退の懸念が強まっても利下げへの転換はないと思います」
どうなる世界経済?(写真はイメージ)
どうなる世界経済?(写真はイメージ)

   同欄で、日本経済新聞社特任編集委員の滝田洋一記者は「より高く、より遠くの利上げとなります」として、3つのポイントを挙げている。FF金利とは、短期金利の指標であるフェデラルファンド金利(Federal Funds Rate)のこと。

「(1)FF金利見通しは2022年末を6月予想の3.4%⇒4.4%に引き上げました。今回の0.75%利上げ後のFF金利は3.0~3.25%。なので、今回の金利見通しに従えば11月、12月のFOMCは0.75%と0.5%の利上げとなります。
(2)2023年末のFF金利見通しは6月予想の3.8%⇒4.6%に。従って23年にはあと1回の0.2%の利上げの余地を残し、少なくとも23年一杯は利下げ転換を否定する。
(3)24年末のFF金利見通しも6月予想の3.4%⇒3.9%に。ということは、2024年の大半も4%台のFF金利が続くことになります。かなりの本気度が伝わってきます」

   この日米金融市場の大荒れの展開、今後、米国と日本経済はどうなるのだろうか。

(福田和郎)

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