押しつけ、型にはめる指導では限界...プロ野球の名コーチは「教えない」

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コーチは指導しちゃダメ...「アスリートファースト」で

   現在、千葉ロッテのピッチングコーディネーターを務める、日米通算121勝62セーブ右腕の吉井理人さんは、「コーチは選手の邪魔をしたらダメ、指導しちゃダメです」と語る。

   吉井さんは12年オフに日本ハムを退団した後、14年春から2年間、筑波大学大学院で体育学を専攻。専門的にコーチングを学んだ。すでに5年間の指導者経験があったが、自らの経験に頼っていては限界があり、勉強が必要だと感じていたという。

   そのコーチングの哲学を表すのが、「アスリートファースト」という言葉だ。

   自分もそうだったが、選手は基本的に教えられるのが嫌なものだから、コーチは指導せず、その代わりサポートするという考え方だ。そこで重視するのは、選手との深いコミュニケーションで、「振り返り」という作業が中心になるという。

   大学院2年目、研究を続けながらソフトバンクの投手コーチを務めたとき、若い選手に合わせてLINEも使ったそうだ。また、「振り返り」の内容をその場限りにしないため、各選手に許可を取ったうえで発言を録音し、文字に起こして記録した。

   米・大リーグのメッツに入団したとき、コーチから教えるのではなく、選手が何をやりたいか、初めに聞いて、それに沿ってアドバイスを受けた経験が生きているという。

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