物価、円安加速でもっと上昇? 今週の日米中銀会議に注目...エコノミスト指摘「岸田政権打つ手なし」「物価高収まっても景気後退の波が」

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   物価上昇に歯止めがかからない。2022年9月20日に総務省が発表した消費者物価指数は、前年同月より2.8%上がった。バブル崩壊直後の1991年9月以来約31年ぶりの歴史的な高水準だ。

   折しも9月20日から22日にかけて、日本と米国の中央銀行が相次いで政策決定会合を開く。結果次第では円安が一段と加速、さらに物価上昇が進む恐れがある。

   いったい日本経済はどうなるのか。エコノミストの分析を読み解くと――。

  • 物価高はどこまで進むか(写真はイメージ)
    物価高はどこまで進むか(写真はイメージ)
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「明るい物価上昇」だった31年前との違いは?

   総務省の発表資料によると、家庭で消費するモノやサービスの値動きをみる8月の消費者物価指数(生鮮食品を除く総合指数)は、昨年同月より2.8%上昇した。消費増税の影響があった期間を除くと、バブル景気直後の1991年9月以来、30年11か月ぶりの上昇幅になる。2%を超えるのは5か月連続。

   物価上昇の主な要因はエネルギー価格の高騰で、「エネルギー」全体では昨年同月より16.9%の大幅な上昇となった。個別にみると、電気代21.5%、ガス代が20.1%、ガソリン6.9%、灯油18.0%と、それぞれ上がっている。

   また、生鮮食品をのぞく食料は4.1%上昇した。食用油39.3%、食パン15.0%、麺類5.0%、輸入牛肉10.7%、チョコレート9.3%、ハンバーガー(外食)11.2%など。いずれも原材料費や物流費の上昇を受けた。ルームエアコン12.5%、電気冷蔵庫5.9%など家電製品も値上がりしている。

高すぎてスーパーの買い物でも迷う(写真はイメージ)
高すぎてスーパーの買い物でも迷う(写真はイメージ)

   ただ、同じ2.8%の上昇率だった31年前の1991年9月と現在とでは様相が異なる。朝日新聞(9月21日付)「『明るい物価上昇』今は昔」によると、バブル崩壊直後だったが、まだ好景気の余韻があった。賃金がどんどん上がっていたのだ。

「1991年通年で見た賃金の上昇は物価上昇を上回り、実質賃金は1.1%上昇していた。(中略)だが、今年7月は1.3%減と4か月連続で前年同月を下回り、家計の負担ばかり増している」

   朝日新聞は、「明るい物価上昇」の象徴として、輸入果物卸売り社長のこんなコメントを紹介している。「業績好調で働き手が足りなかった。当時は人手不足だったため、新入社員の初任給も毎年1万円ほど引き上げた。上がった人件費の分を価格に転嫁しても、売り上げは右肩上がりだった」

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