ステマの理由...63.6%「理解が低かった」、30.9%「広告だと隠すことを条件に報酬」
そして、「ステマを広告主から依頼された経験があるか」、また「その依頼を受けたか」を聞いた結果が図表3だ。これを見ると、「依頼された経験がある」が41.0%、さらにそのうち(=123人)の44.7%が「ステマの依頼を受けた」ことがわかる(「全て受けた」「一部受けた」の合計)。インフルエンサー全体でみたら、約2割(18.3%)が「ステマ」をした経験があるわけだ。
ではなぜ「ステマ」を受けたのか。複数回答で聞くと、「ステマに対する理解が低かった」(63.6%)が最も多い。次いで、「広告であることを隠すことを条件に報酬がもらえる」(30.9%)、「広告であることを記載すると、フォロワーの信頼を失う」(18.2%)と続いた=図表4参照。いずれも、インフルエンサーとしてのプライドを持ちつつも、「報酬」に目がくらんだことがうかがえる。
一方、「ステマ」の依頼を拒否した理由はこうだ(複数回答)。「ステマを行うとフォロワーの信頼を失う」(77.0%)が最も多い。次いで、「ステマが悪いものだと思っている」(68.9%)、「ステマを行うと、インフルエンサーとしての自分のブランドを傷つける」(60.7%)、「フォロワーを騙しているようで申し訳ない」(57.4%)と続いた=図表5参照。
「ステマ」の依頼を受けることは、インフルエンサーとしての誇りが許さなかったのだ。そんな人が8割強いたわけだが、気になるのは最後に「あなた以外のインフルエンサーがステマを行うことについてどう思うか」と聞いた質問の回答だ。
「ステマは悪いことだと思う」と答えたのは56.0%、「わからない」が29.0%、「悪いとは思わない」が9.0%いた。そして、「悪いとは思わない」という人(=26人)に「なぜそう思うのか」を聞くと、「広告であっても、嘘の投稿をしているわけでない」が74.1%もいて=図表6参照、懸念される事態が浮き彫りになった。
(福田和郎)