口コミ装う「ステマ」商法、その実態は? インフルエンサーの4割、広告主から依頼ありの調査結果 「フォロワー騙したくない」と抵抗する人もいるが...

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華やかに見える割に、厳しいインフルエンサーの収入

「ステマ」問題に波紋
「ステマ」問題に波紋

   消費者庁では、広告主がインフルエンサーにどのように「ステマ」の指示を行っているのか、広告代理店などに聞き取り調査を行った。こんな意見が返ってきた。

「インフルエンサーがステルスマーケティングを行うのは、単純に儲かるからであり、法律についてもよく分かっていないのが現状。インフルエンサーに問題のある行為であることを知ってもらうことが重要」(広告代理店)
「インフルエンサーは金銭を得る目的があるので、自らの考えで表示を作成することはなく、広告主から指示のあった表現・表示を行うに過ぎず、表現・表示に問題があるとすれば、広告主の指示に問題がある」(PR会社)
「商品を提供しつつ、感想をSNSに投稿することは任意とする一方、感想を投稿する場合はPRと書かないでほしいというようなケースも増えてきている。インフルエンサーとしては『(商品の)提供を受けたことを隠して、良い感想を投稿したら次も商品をもらえるのではないか』と考えて、暗黙の了解でPRと書かず、ステルスマーケティングを行ってしまうケースもある」(PR会社)

   報酬のために広告主の指示に従うケースがある一方、インフルエンサーとしてのプライドがあるので、商品の感想を投稿する場合は逆に「広告」と書かないで、結果的に「ステマ」になってしまうケースもあるようだ。

   では、実際にインフルエンサーたちは「ステマ」を行うことについて、どう思っているのか。消費者庁は、広告主とインフルエンサーをマッチングさせるプラットフォームを運営している「リデル」(東京都港区)に委託し、リデルに登録する300人のインフルエンサーを対象にアンケート調査した。その調査結果を見てみよう。

   まず、インフルエンサーとして得る1か月の収入を聞くと、「50万円以上」が1.3%だけで、「30万円以上~50万円未満」が2.4%、「20万円以上~30万円未満」が3.3%、「10万円以上~20万円未満」が11.7%、「5万円以上~10万円未満」が20.7%、そして一番多いのが「1万円以上~5万円未満」で40.0%となった=図表1参照。華やかに見える割には、厳しい業界のようだ。

(図表1)インフルエンサーとして得る1か月の収入(消費者庁公式サイトより)
(図表1)インフルエンサーとして得る1か月の収入(消費者庁公式サイトより)

   インフルエンサーは企業の広告塔として収入を得る場合、フォロワー数で単価が決まるといわれる。相場は、1フォロワー=1円~数円、といったところらしい。

   そこでフォロワー数を聞くと、50万人以上がゼロで、「10万人以上~50万人未満」が4.0%、「5万人以上~10万人未満」が5.7%、「1万人以上~5万人未満」が66.3%と圧倒的に多かった。さらに、「5000人以上~1万人未満」が13.3%、「1000人以上~5000人未満」が10.3%と、やはり厳しい世界を表している=図表2参照

(図表2)SNSのフォロワー数(消費者庁公式サイトより)
(図表2)SNSのフォロワー数(消費者庁公式サイトより)
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