オリンパス、祖業の「科学事業」4276億円で売却 収益性高い「医療事業」に経営資源集中...今後の戦略注目集まる

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売却益どう使う? 医療事業ではこれまでも積極的なM&A

   そこから10年、ソニーから500億円の出資を受け、「物言う株主」である米ファンドから出資を受け入れ、社外取締役も招くなど、財務・企業統治の立て直しを進めた。

   事業では内視鏡などの医療事業に注力する一方、21年1月、デジタルカメラなどの映像事業を売却。科学事業も11月に分社化し、売却へのレールを敷いていた。21年に募集した早期退職には国内従業員の約6%に当たる844人が応募するなど、容赦ない体質改善も進めていた。

   こうした結果、23年3月期の営業利益は2310億円と過去最高の更新を見込むまでになっている。

   今後の焦点は、科学事業売却で得た資金をどう生かすかだ。

   医療事業ではこの間も、20年12月に呼吸器関連の製品を手がける米ベラン・メディカル・テクノロジーズを354億円で、21年5月にはイスラエルのメディテイト(泌尿器科)を272億円で手に入れるなど、M&A(合併・買収)を積極的に進めてきた。

   世界シェア7割を誇る消化器内視鏡から呼吸器など、幅をどこまで広げるか。内視鏡に取り付ける治療機器、人工知能(AI)を組み込んだ機器などの分野を含め、次代の「エース」をいかに育てるか。今後の戦略が注目される。(ジャーナリスト 済田経夫)

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