成長するビジネスモデルは「融業型」と「横展開型」
第2部では、第2世代のスタートアップ企業を取り上げている。ここで、ビジネスモデルのポートフォリオを4つに分類しているのが興味深い。
a特化型(少市場・少モデル) 特定の市場で、特定のビジネスモデルで勝負する。
b融業型(少市場・多モデル) 少数の市場に対し、多くのビジネスモデルを展開する。
c横展開型(多市場・少モデル) 得意な儲け方をさまざまな業種セグメントで展開する。
d多角化型(多市場・多モデル) たくさんの市場でさまざまなビジネスモデルを展開する。
さまざまな分析の結果、急成長が期待されるのは融業型と横展開型であることがわかったという。
そのうえで、アルゴリズムの強みを生かして横展開したのが、TikTokのバイトダンスだと説明している。同社はTikTokで有名になったが、原型はニュース配信アプリにあるという。個々人に向けて関心のあるコンテンツをレコメンドできるようなアルゴリズムがカギとなっている。
これに対し、融業型のビジネスモデルを展開しているのが、メイトゥアン(美団)だ。オンラインのネット利用者たちをオフラインの実店舗に誘導して、購買を促すことを生業としている。買い物、外食、娯楽、美容、配車など、ありとあらゆるサービスが、同社のアプリで利用できる、オールインワンのスーパーアプリだ。
横展開と融業を両立させたのが、スマホとIoT家電メーカーのシャオミだ。横展開するときは、自社ですべてを賄うのではなく、パートナーに出資して、開発と生産を委ねた。次にこれらを連携させるアプリを開発したり、自社のインターネットサービスに誘導したりした。売上比率こそ1割程度だが、粗利率は全体の4割を占めるまでになったという。
第3部では、テンセントは模倣という手段を用いて成功したこと、アリババはアメリカのEコマースの至らない部分を反面教師にして、イノベーションを起こした、と説明している。