「米国のインフレは徐々に落ち着く可能性が高い」という見方
はたして米国のインフレはピークアウトに向かっているだろうか。
野村アセットマネジメントのシニア・ストラテジスト石黒英之氏は、「インフレは鈍化の兆しが見える」という見方だ。
石黒氏はリポート「米国のインフレはピークアウトしたのか?」(9月14日付)の中で、米国のインフレの今後を探るうえで重要なのは次の4つだと指摘する。
(1)世界的な景気減速懸念を背景とした商品価格の上昇一服
(2)供給網の改善
(3)過剰在庫の圧縮
(4)住宅市場の軟化
そのうえでこう述べている。
「商品の総合的な動きを示すCRB指数(国際商品先物指数)の前年同月比の伸び率は縮小傾向にあり、世界の供給網の混乱も落ち着きつつあるなど、商品と財価格に起因する物価上昇圧力は和らぎつつあります(図表1参照)。また、米小売大手で値下げによる過剰在庫の圧縮が進んでいることもインフレ鈍化につながるとみられます」
「物価に対して粘着性のある住居費については、住宅価格の伸び率に落ち着きの動きがみられていることが、先々のサービス価格の鈍化を示唆しているといえます。(中略)こうした点を勘案すると、米国のインフレは徐々に落ち着く可能性が高いといえるのではないでしょうか」