「株価は二番底を探る展開が予想される」という可能性
ヤフーニュースコメント欄では、ソニーフィナンシャルグループのシニアエコノミスト渡辺浩志氏も、
「株式市場では金利敏感なハイテク株を中心に構成されるナスダック指数が5.2%安となりました。インフレ沈静化を期待し、前4日間で1200ドルほど上昇していたNYダウは上げ幅をすべて吐き出す展開。前日比1276ドル安の3万1104ドルで終えました」
と、「パニックぶり」を述べたあと、
「もっとも、最近の米株価は金利変動を警戒したPER(株価収益率)主導の上下動に終始。EPS(一株利益)は横ばい圏で推移しており、金融引き締めによる景気悪化は株価にほとんど織り込まれていません。EPSの調整が本格化すれば、株価はいったん二番底を探る展開が予想されます」
と再び大きく下落する可能性を示唆した。
同欄では、第一生命経済研究所主任エコノミスト藤代宏一氏も、ウォール街の右往左往をこう振り返った。
「米国の消費者物価上昇率(食料・エネルギーを除いたコア物価)が予想以上に加速したことでFRBの利上げ観測が高まりました。それ以前は9月FOMC(米連邦公開市場委員会)における利上げ幅は0.75%が予想されていましたが、1.00%になるとの見方も急浮上しています。
これを受けて米2年金利は3.8%近傍まで上昇。安全資産(リスクフリー)の国債で4%近い利回りを獲得できるならば、株式を保有・取得する必要性は薄れます。金利が上がり、株価が下がる典型的な一日でした」
一方、同欄では、三菱UFJリサーチ&コンサルティングの主席研究員小林真一郎氏は、比較的冷静な見方を示した。
「(米国の8月消費者物価指数は)予想より高かったといえ、米国の物価上昇圧力の勢いは徐々に弱まっており、近いうちに物価もピークアウトし、FRBの金融引き締めもペースダウンすると予想されます。このため、米国株価の下落余地は限定的と考えられます」
と分析したうえで、9月14日の日本株急落についても、
「同様に日本株も、コロナ禍の影響が徐々に薄れ、景気が緩やかに持ち直すなかで、本日のように一時的な下落はあっても大きく調整することは避けられそうです」
と指摘した。