男性は女性の「経済力」、女性は男性の「容姿」を考慮
それでは、独身者はどんな生き方を望んでいるのか。特に「女性の理想のライフコース」を聞くと、男女とも「仕事と子育ての両立」がトップになった。興味深いのは、男性で39.4%、女性で34.0%と、男性のほうが支持する割合が高いことだ。男性では、パートナーに「専業主婦」を望む割合(6.8%)も急落しており、女性の人生について価値観が様変わりしていることを示した。
こうした変化もあって、結婚相手に求める条件にも変化が表れた。男性に聞くと、女性の「経済力」を考慮する人が前回(2015年)より6.3ポイント多い48.2%となった。一方、女性も男性の「家事・育児の能力や姿勢」に考慮する人が12.5ポイント多い70.2%と大幅に上がった。
また、女性は相手の「容姿」を考慮する傾向が増えたのも特徴。1992年調査の67.6%から今回81.3%(13.7ポイント増)に上昇した。その分、相手との「共通の趣味」が減っている(6.7ポイント減)。男性のほうは「容姿」と「共通の趣味」にほとんど変化がない。
さて、既婚者にも大きな変化が表れている。
夫婦が知り合ったきっかけを聞くと、ネット交流サービス(SNS)やマッチングアプリなど、「ネット」と答えた夫婦が13.6%と、前回(6.0%)より倍増した。2002年調査では、「職場や仕事で」「友人・兄弟姉妹を通じて」の合計が6割以上あったが、今回半数を割った。職場や友人を介した「リアル」な出会いは減少傾向を続けており、SNSやアプリなどを経由した出会いが今後の主流になる可能性がある=図表4参照。
また、夫婦間のセックスも淡白になっているようだ。
妊娠と出産に関するデータの参考にするために、妻が49歳以下の夫婦に「過去1か月以内に夫婦間でセックス(性交)があったかどうか」を聞くと、「あった」が37.9%、「なかった」が58.5%だった=図表5参照。一般に、1か月以上性交がない場合を「セックスレス」と定義される。セックスレス夫婦が6割近くいるわけだ。
また、追加の出生予定がある夫婦に限って同じ質問をすると、「セックスレス」の割合は減少して46.1%になった。しかし、30歳~39歳でも5割以上になる。一方、出産が厳しい年齢になる40歳~49歳になると、36.7%を一気に減ってくる。切実な思いが伝わっている数字だ=再び、図表5参照。