来春(2023年)卒の大学生・大学院生の就職活動は、いよいよゴールが近づいてきた。10月1日に、内定式を行なう企業もある。残暑と台風襲来による豪雨が交錯する悪条件のなか、学生たちの最後の奮闘が続く。
そんな状況で、リクルートの就職・採用関連の研究機関「就職みらい研究所」が2022年9月9日、2023年卒大学生・大学院生を対象にした就活状況を調べた「2022年9月1日時点 内定状況」を発表した。
9月1日時点で早くも内定率9割超、進路確定率8割超に達している。しかし、まだ内定が得られていない学生も約1割強。チャンスはこれからだ、あきらめるは早いぞ!
内定が取れた! と喜ぶ就活生(写真はイメージ)
ダントツに進路確定が早いIT、製造・金融保険も続々
就職みらい研究所によると、9月1日時点の就職内定率(大学院生を除く)は90.8%で、昨年(2022年卒対象)の同じ時点の90.0%とほぼ同じ水準になった=図表1参照。理系が91.7%と、文系の90.5%を1.2ポイント上回っている。また、女性(92.9%)のほうが男性(88.9%)よりも内定率がやや高いことが目につく。7月1日時点では男性のほうが高かったから、追い込みで逆転したかたちだ。
内定取得先の業種をみると、情報・通信業が26.0%と、ダントツに高いことが特徴だ=下の図表2参照。ITスキルを持つ人材は、世界的に奪い合いが激しく、優秀な学生は早くから海外からも誘いの手が伸びる。また、IT業界は就活ルールを定める日本経済団体連合会に属していないベンチャー系企業が多いといわれ、「内定出し」のスタートダッシュが早く、その勢いが続いているようだ。
次いで、製造業(機械器具以外、15.9%)、機械器具製造業(14.5%)、サービス業(13.1%)、金融・保険業(12.0%)、小売業(11.4%)と続く。製造業やサービス業関連は、コロナ禍がひと段落したことで、業績が上向いている企業が多いことを反映しているようだ=図表2参照。
一方、すでに就職先の企業を決めた進路確定率も8割を超える82.2%と、就職活動が終盤戦に入ったことがうかがえる=図表3参照。こちらも、昨年の同時点(82.1%)とほぼ同じ水準だ。
就職確定先企業の業種をみると、やはり情報・通信業が23.9%とダントツに高い。次いで製造業(機械器具以外、11.7%)、機械器具製造業(11.3%)、金融・保険業(10.0%)、サービス業(8.6%)と続く=図表4参照。
図表4:9月1日時点の就職確定先企業の業種(リクルート就職みらい研究所の作成)