東京外国為替市場 政府・日銀、円安進行をけん制
ドル・円予想レンジ:1ドル=140円50銭~144円50銭
2022年9月9日(金)終値 142円52銭
今週の外国為替市場でドル円相場は、ドルがしっかりの展開か。
前週のドル円相場は、ドルが上昇した。9月21~22日のFOMC(米連邦公開市場委員会)で0.75%の利上げ予想を背景に、ドルは一時1ドル=145円直前まで値を上げた。ただ、岸田文雄首相と日本銀行の黒田東彦総裁が9日に会談し、急激な円安進行をけん制したことで、ドルは1ドル=141円台半ばまで値を下げた。
今週のドル円相場は、ドルがしっかりの展開となりそうだ。FOMCでの利上げは相場に織り込まれつつあるが、ドルを支える材料になっている。
ただ、岸田首相と黒田日銀総裁による円安けん制もあり、ドル買いの勢いが増すとは考えづらいだろう。むしろ、米国の経済指標の結果によるインフレ懸念の動向が相場の材料になる可能性が高く、13日発表の8月の米国消費者物価指数(CPI)の結果に注目したい。
経済指標は、国内では12日に8月の工作機械受注、13日に7~9月期法人企業景気予測調査、8月の国内企業物価指数、14日に7月の機械受注と鉱工業生産、15日に8月の貿易収支などの発表が予定されている。
海外では、12日に米国の8月の消費者物価指数、15日に米国の8月の小売売上高と鉱工業生産、16日に中国の8月の小売売上高と鉱工業生産などの発表が予定されている。
(鷲尾香一)