言い訳ばかりして、上司の指示を聞かない部下...どう対処する?【上司力を鍛えるケーススタディ CASE 11】(前川孝雄)

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進んで自己開示を~弱さをさらけ出せるほど、強さを感じさせる~

   ここまで準備が進んだら、朝礼や定例会議など部下が集まる機会を利用して、部下の言葉から何を感じたか、それを受けて自分のあり方や行動をどう改善しようと考えているかなどを、部下に対して表明してください。同時に、気づかせてくれたことへの感謝の気持ちも伝えましょう。

   「そんなことをしたら、部下に弱みをみせることになる」と感じるかもしれませんね。

   けれども、自己開示は相互理解のための大切な作業なのです。上司も部下とのコミュニケーションから日々気づきを得て成長していると伝えることは、何らマイナスにはなりません。むしろ、部下にとっては、上司をより深く理解する機会になります。

   一般的に、堂々と自分の弱みをさらけ出し、自己開示できることに、人は強さを感じます。弱みを隠し表面を取り繕うことこそ、弱さを感じさせる行為なのです。

   また、この自己開示によって、部下は自分の言葉が上司に影響を与えうることを実感します。本音を言えない組織風土では、部下は心から安心して上司や同僚たちに向き合えません。

   そう言う意味でも、上司自身が部下のフィードバックを受けた自己改善を表明することは、「本音を言える組織風土」を形成していく重要な一歩にもなるのです。

※「上司力」マネジメントの考え方と実践手法についてより詳しく知りたい方は、拙著「本物の上司力~『役割』に徹すればマネジメントはうまくいく」(大和出版、2020年10月発行)をご参照ください。
※「上司力」は株式会社FeelWorksの登録商標です。


【プロフィール】
前川 孝雄(まえかわ・たかお)
株式会社FeelWorks代表取締役
青山学院大学兼任講師、情報経営イノベーション専門職大学客員教授

人を育て活かす「上司力」提唱の第一人者。リクルートを経て、2008年に管理職・リーダー育成・研修企業FeelWorksを創業。「日本の上司を元気にする」をビジョンに掲げ、「上司力研修」「50代からの働き方研修」「eラーニング・上司と部下が一緒に学ぶ パワハラ予防講座」「新入社員のはたらく心得」などで、400社以上を支援。2011年から青山学院大学兼任講師。2017年働きがい創造研究所設立。情報経営イノベーション専門職大学客員教授、一般社団法人 企業研究会 研究協力委員、一般社団法人 ウーマンエンパワー協会 理事なども兼職。連載や講演活動も多数。
著書は『50歳からの逆転キャリア戦略』(PHP研究所)、『「働きがいあふれる」チームのつくり方』(ベストセラーズ)、『コロナ氷河期』(扶桑社)、『50歳からの幸せな独立戦略』(PHP研究所)、『本物の「上司力」』(大和出版)等30冊以上。近刊は『人を活かす経営の新常識』(FeelWorks、2021年9月)および『50歳からの人生が変わる 痛快! 「学び」戦略』(PHP研究所、2021年11月)。

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