テレワークが終わり、社内ネットワークに接続...ここにも危険が
テレワークが終わり、通常勤務に戻り、社員が自宅で使っていたノートパソコンや外部記憶装置などが社内ネットワークに接続されることになる。ここにも危険が潜んでいるという。
通常、自宅のネットワークは社内ネットワークよりもセキュリティーレベルが低く、ウイルス感染や不正アクセスのリスクが高い。自宅で使っていたパソコンを社内ネットワークにつなぐのは危険な行為であり、ウイルスが持ち込まれる可能性があるからだ。
日本ネットワークセキュリティ協会はチェックリストを公開している。社内ネットワークに接続する前に、「セキュリティー対策が最新の状態か」「ウイルスに感染していないか」「無許可のソフトウェアがインストールされていないか」などを確認するよう勧めている。
次々と編み出されるネット詐欺の手口。不在通知などを装う偽SMS(ショートメッセージ)を受け取った人も多いだろう。「お客様にお荷物のお届けにあがりましたが不在の為持ち帰りました」と宅配業者を名乗る手口だ。そこから、偽サイトに誘導する。この手口は報道されたため、別の宅配業者を名乗る手口も出ているそうだ。
(ちなみに、こういった手口の踏み台にされないためには、Androidスマホなら、セキュリティー設定で、「提供元不明のアプリ」をオフにするといいようだ。)
サイバー犯罪は現在、一つの産業になり、分業化が進んでいる、と警告している。
手口は高度化する一方、スマートフォンの大方のユーザーにとって、セキュリティーは関心外のことである。「金銭を提供する」といったメールから出会い系詐欺サイトに誘導され、金銭をだまし取られる被害の相談は全国の消費生活センターなどに年間3000件も寄せられている。
変わらない手口にだまされる人は絶えない、と著者は嘆いている。
(渡辺淳悦)
「すぐそこにあるサイバーセキュリティの罠」
勝村幸博著
日経BP
1980円(税込)