いまなぜ企業は「デザイン」を重視するのか?...その「センス」を磨くには?【尾藤克之のオススメ】

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   多くの人に魅力的、センスがあると評価されるデザインには、「法則」「ルール」があります! 今回は、センスに関係なく、見るだけでセンスが身につく、簡単で画期的なデザイン入門書を紹介したいと思います。

「見るだけでデザインセンスが身につく本」(株式会社日本デザイン著、大坪拓摩監修)SBクリエイティブ

差がつくセンスとは何か?

   「あの人はセンスがない」「あの人はいつもセンスがいい」「あの人が選ぶものは高級品の割にセンスが悪い」「あの人に任せれば必ずカッコよくなる」など、人を評価するときによく使われる「センス」というキーワード。実は、「センスがいい」と言われる人には一定の条件、つまり「公式」があると著者は言います。

「先天的なセンスというものもありますが、後天的に身につけるセンスの方が普遍性と再現性が高いのです。センスの正体を知らない人たちにハードルが高いと思われている分だけ、身につけて差をつけるにはピッタリのスキルとも言えます。一言で表すならセンスとは物事を理解するための感覚や判断力のことです」(著者)
「つぎにデザインについてお話します。デザインと聞くと、色や形など見た目のキレイさやカッコよさ、デザイナーはそれを作る仕事という風に思い浮かべます。間違ってはいませんが、人が本当にデザインの恩恵を受け取れるのは、それとは違うタイミングにあります。それは『何か解決したい課題があるとき、達成したい目標があるとき』です」(同)

   デザインを直訳すると、「設計」になります。設計は、目的を具体化するために必要な準備や仕様書のこと。なんらかの課題に対して、デザインを用意して解決する道筋をつけると言えばわかりやすいでしょう。多くの企業がいま、デザインに注目しています。その理由は、デザインのアウトプットで、ビジネスの結果が大きく変わることを知っているからです。

   たとえば、入社案内という学生向けのツールがあります。大手企業では毎年、入社案内のデザインコンペが実施されます。「学生の数を集める」「質の高い学生を集める」「企業イメージを払しょくしたい」など、企業には「ありたい姿」が存在します。そこに近づけるためのデザインが必要になるということです。

   バブルの頃、CI(Corporate Identity)がブームになりました。多くの企業がロゴマークを作成し、社名を変更しました。しかし、なかには、うまくいかなかったものもあります。実態とかけ離れた表面的なデザインによって、課題が解決されるわけではないのです。そう考えると、デザインのもつ意味深さが理解できるのではないかと思います。

尾藤 克之(びとう・かつゆき)
尾藤 克之(びとう・かつゆき)
コラムニスト、著述家、明治大学客員研究員。
議員秘書、コンサル、IT系上場企業等の役員を経て、現在は障害者支援団体の「アスカ王国」を運営。複数のニュースサイトに投稿。著書は『最後まで読みたくなる最強の文章術』(ソシム)など19冊。アメーバブログ「コラム秘伝のタレ」も連載中。
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