証券各社おおむね歓迎...ひとまず効果は出たが、なかなか上向かず
だが、ここへきて、こうした従来方針をやや修正したようだ。
SMBC日興証券は自社株買い発表を受けて配信したリポートで「自社株買いはNECにとって優先度が低いと解釈しており、唐突感があった」と指摘し、「株式市場へ向き合う姿勢の変化として前向きに評価したい」とした。
証券各社もおおむね歓迎しており、UBS証券は目標株価を7000円から7200円に引き上げた。
NECの自社株買いは、2022年4~6月期連結決算(国際会計基準)の発表後に株価が急落したことへの危機感があったのではないか、との見方も市場で出ている。
7月28日に発表されたこの第1四半期決算は、通信機器の低迷などにより最終損益が138億円の赤字(前年同期は2億円の黒字)となった。
NECは利益の計上が1~3月期に偏る傾向があるとはいうものの、同期間として2年ぶりの赤字に市場は失望し、7月29日に安値引けとなった終値は前日比395円(7.5%)安の4895円に急落した。
株価がその後も回復せずに推移したところに打ち出した初の自社株買い。ひとまずは効果が出たものの、じりじりと後退し、9月に入って終値で5000円を割り込む日が続いている。(ジャーナリスト 済田経夫)