AI開発拠点「SUBARU Lab」で研究開発&アイサイトの車載ソフトを自動更新「OTA」導入も
「2030年に交通死亡事故ゼロ」を目指すスバルは、25年以降にアイサイトに人工知能(AI)を搭載し、さらに安全機能を強化する考えを表明した。自動ブレーキで衝突を回避できないとAIが判断した場合、ステアリングを自動で操舵し、衝突を避けることなどを目指すという。
スバルは20年、AIの開発拠点「SUBARU Lab(スバルラボ)」を東京・渋谷に開設。「ステレオカメラ技術にAIの判断能力を融合させることで、安全性をさらに向上させる研究開発を進めている」という。
さらにスバルは、アイサイトの車載ソフトを無線通信で自動的に更新する「オーバー・ジ・エアー(OTA)」と呼ばれるシステムの導入も検討していることを明らかにした。OTAは米テスラが電気自動車(EV)の制御システムの自動更新に用いていることで注目を浴び、世界の先進的な自動車メーカーでスタンダードになりつつある。
OTAは、ホンダが世界初のレベル3を実現した「レジェンド」に採用したほか、トヨタもスバルと共同開発した本格EV「bZ4X」(22年5月発売)などに搭載。トヨタは「販売店へ入庫することなく性能向上のためのソフトウェアアップデートが可能」などとアピールしている。
スバルも次期アイサイトにOTAを搭載するのは確実とみられ、運転支援システムの分野でも自動更新が一気に進む可能性がある。(ジャーナリスト 岩城諒)