副業や兼業をしている人はどのくらいいるのか、実際にどのような仕事をしているのか――。
LINEが運営するスマートフォン専用のリサーチプラットフォーム「LINEリサーチ」では、こんな疑問に答える調査をおこなった。調査結果は2022年8月30日の発表だ。
調査結果から明らかになった副業・兼業をする理由のトップは、やっぱり......。
「いまはしていないが、いつかはしたい」38%
今回の調査では、18歳~59歳の男女の経営者、会社員、公務員、自営業、自由業、パート・アルバイトの方を対象とした。まずは、勤務先から副業/兼業(本業以外の仕事、複数の仕事で収入を得ること)を許可されているかどうか聞いた。
それによると、全体では「許可されていない」が最も高く40%だった。これに対して、「全面的に許可されている」「条件付きで許可されている」はそれぞれ20%という結果に。
また、業種別の傾向をみると、「全面的に許可されている」は【飲食サービス】がとくに高く49%。次いで、【小売】が27%、【物流/倉庫】が26%だった。そして、「条件付きで許可されている」のは【IT/通信/ソフトウェア】が32%、【金融/保険】で27%。
一方で、「許可されていない」のは、【金融/保険】が最も高く54%だった。そのほか、【運輸/交通】が49%、【商社/卸売】が49%、【教育/学習支援】が49%、【製造/メーカー】が47%となっている=図表1参照。
つづいて調査では、副業や兼業をしているか、または、したいという意向はあるかも聞いた。それによると、全体では「いまはしていないが、いつかはしたい」が38%と最多だった。次いで、「いましておらず、今後もしたいと思わない」が33%。つづいて、「している」が12%、「いまはしていないが、近いうちにしたい」」が11%という結果だった。
LINEリサーチでは「女性は『いましておらず、今後もしたいと思わない』という割合が男性に比べて高く、男性は『いまはしていないが、近いうちにしたい』が女性に比べてやや高い傾向にありました」とコメントしている。
また、年代別でみると、20代以下と30代では、「いまはしていないが、いつかはしたい」が全体よりは高く40%を超えている。しかも、「いまはしていないが、いつかはしたい」と「いまはしていないが、近いうちにしたい」を合わせると50%を超え、副業や兼業への意向が他の世代よりはやや高いようだ=図表2参照。
注目集まる「サービス業」「ポイ活」「株/FX」
では、具体的にどのような副業や兼業をしているのだろうか。
副業や兼業をしている人を対象に聞いたところ、全体では「サービス業」が1位で22.3%だった。2位が「ポイ活(ポイント活動)」(14.5%)、3位が「株/FX」(11.7%)と続いた=図表3参照。年代別の傾向では、20代以下では「ポイ活」、30代以降は「サービス業」がトップとなっている。特徴としては、20代以下・30代は「株/FX」が3位、40代以降では「軽作業」が2位だった=図表4参照。
最後に、すでに副業や兼業をしている人、今後してみたいと思っている人にその理由も聞いている。その結果、全体でのトップは「収入を増やしたいから」が圧倒的に高く、73.6%だった。
次いで、「自分の知識や視野を広げたいから」(18.2%)、「空いている時間があるから」(17.6%)。ほかに、「新しいことをしたいから」(15.2%)や「スキルを身につけたいから」(14.8%)などの新しいことにチャレンジ、スキルアップ関連の項目も目立った=図表5、図表6参照。
なお、調査は2022年7月19日~21日、全国の18~59歳男女から回答を得た。LINEユーザーを対象にしたスマートフォンWeb調査。有効回収数の中からランダム抽出した男女18~59歳の4万3320サンプルのうち、対象となったのは3万2741サンプル。