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まだまだ成長「クラウド」に注目 「富士ソフト」を買った!【企業分析バトル 北海道大学 チーム・ヒゲペンギンズ】

   こんにちは! 北海道大学 金融研究会所属。チーム・ヒゲペンギンズの伊豆匠吾です。先日、札幌市で北海道マラソンが開かれ、コースに含まれた北海道大学の構内を大勢の人が元気に走っていました。マラソンランナーの頑張りに負けないよう、こちらも企業分析を始めましょう!

   新しい投資先として、今回購入する銘柄は「富士ソフト」(9749)です。また、ヤマハ発動機株を買い増しました。

  • まだまだ成長が見込めるクラウドサービスに注目!
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保有する島津製作所株に「事件」です!

   新たな投資先を分析する前に、まずは6月3日に1株=4740円で購入した島津製作所株に、事件です。先日、島津製作所の子会社である島津メディカルサイエンスについて、機器に回路を遮断するタイマーを仕掛けていたという疑いが報じられました。

◆ 参考リンク
・日本経済新聞「島津製作所、子会社がX線装置の故障装い部品交換か」(2022年8月29日付)

・J-CASTニュース 会社ウォッチ「初めての投資! 自己資本比率と株価、配当金で選んだ『島津製作所』【企業分析バトル 北海道大学 チーム・ヒゲペンギンズ】」(2022年6月15日付)

   この記事を執筆している8月30日現在、島津製作所株で約20万円の損失が出ています。チーム・ヒゲペンギンズにとって、これ以上の損失は何としても避けたいところ。しかし、島津製作所株は売却せず、保持する選択をしました。

   理由は、島津製作所が円安を背景に過去最高益を達成。業績予想に「下方修正なし」とするなどの対応(島津製作所「2023年3月期第1四半期決算説明会」2022年8月5日)からです。

   島津製作所を選んだ理由である同社の市場規模の大きさに追い風であると判断し、保持します。

国内企業の多くが海外クラウドを選んでいる

   次に、新しい投資先として選んだ「富士ソフト」(9749)を分析します。

   「富士ソフト」は、ソフトウェアを開発・販売するほか、今回注目したクラウドをはじめとするシステムのインテグレーションを行う企業です。

   富士ソフトを購入することにした理由は、(1)クラウド業界の成長(2)AWS(アマゾン ウェブ サービス)の移行パートナー(3)好業績の3つです。

(1)クラウド業界の成長
そもそもクラウドとは、「雲」に見立てられたインターネットを媒介して提供されるサービスのこと。インターネットが発展すれば、クラウドが発展するのは必然といえます。実際、クラウドサービスは大きく成長しており、IDC JAPANの「国内クラウド市場予測」(6月14日発表)によると、2026年の市場規模は2021年の約2.6倍にあたる10兆9381億円になるとの予想もあります。
国内の企業や組織は、コロナ禍におけるクラウド需要に後押しされて導入し、DX(デジタルトランスフォーメーション)の「初めの一歩」を踏み出しているようです。いわば、クラウドサービスは「勝ち馬」といえるでしょう。

(2)AWSの移行パートナー
現在のクラウドサービスはマイクロソフトのAzureとアマゾンのAWSの2強を、グーグル社が追う状況になっています。残念ながら、日本企業のクラウドサービスは競争力で海外企業のサービスに劣っています。日本政府のクラウドであるガバメントクラウドですら、マイクロソフト社とアマゾン社のクラウドを採用しており、国内での海外クラウドの強さがうかがえます。

◆ 参考リンク
・デジタル庁、「ガバメントクラウド 最近の取組 ガバメントクラウド対象クラウドサービスの決定」(2021年10月26日付)

   このことから、オリジナルのクラウドを扱う国内企業よりも、海外企業のクラウドを扱う国内企業に軍配が上がると思います。この点で、富士ソフトは企業向けのAWS環境構築サービスを取り扱っており、条件に適しています。

ヤマハ発動機、東南アジアへの輸出に好調の兆し

(3)好業績
富士ソフトの魅力は何といっても株価の成長です。年初来44.67ポイント上昇という驚異的な株価の伸びは、システムインテグレーターのTISなどの同業他社に比べて非常に大きいです。また、8月5日の第2四半期の業績発表では、売上高、営業利益、経常利益、純利益のすべての項目で予想値よりも実績値が高くなっており、文字どおり「予想以上」に成長している企業であるとわかります。
PER(株価収益率)が23.2倍で他企業並、ROE(自己資本利益率)は7.0%で、他社より低い水準であるなど不安要素はありますが、それらを十分無視できる長所があると判断しました。

◆ 参考リンク
バフェットコード「富士ソフト 第2四半期業績予想値と実績値との差異に関するお知らせ」(2022年8月5日付)

   さらに7月(16日終値、1株=2458円で200株を購入)に続き、ヤマハ発動機を買い増します。理由はインドネシアやベトナムといった東南アジアがコロナ禍明けで景気改善し、ヤマハ発動機にとって「追い風」である輸出好調の兆しが見えるからです。

◆ 参考リンク
・J-CASTニュース 会社ウォッチ「止まらぬ円安進行で買った! ヤマハ発動機【企業分析バトル 北海道大学 チーム・ヒゲペンギンズ】」(2022年7月26日付)

   こうしたことから、富士ソフト株を8月30日の終値である8240円で200株、ヤマハ発動機株を同日の終値である2899円で100株購入します。

富士ソフト(9749)
年初来最高値(2022年7月26日)    8440円
年初来最安値(2022年1月28日)    4740円
購入時の株価(2022年8月30日終値)  8240円
取得株数  200株
投資額         164万8000円

ヤマハ発動機(7272)
年初来最高値(2022年1月7日)     2997円
年初来最安値(2022年3月8日)     2170円
購入時の株価(2022年8月30日終値)   2899円
取得株数(追加分)           100株
投資額               28万9900円
合計の株数と投資額   300株、78万1500円

伊豆 匠吾(いず・しょうご)
伊豆 匠吾(いず・しょうご)
北海道大学総合教育部総合理系1年
北海道大学金融研究会に所属し、自分が儲けられる手段を必死になって探している。趣味は花札、ルービックキューブ、ペンギン鑑賞などなど。企業分析バトルを、勉強した知識の実践の場としたい。よりよい分析を目指して頑張ります。
中村 風五(なかむら・ふうご)
中村 風五(なかむら・ふうご)
北海道大学工学部3年
趣味は、バスケットボール、登山、熱力学、読書。挑戦することが好きです。株式投資、積立を取引していますが、「なんとなく」良い銘柄しかわからず苦戦中。株式投資のリターンを増やせるようになりたいです。企業分析バトルを機に全力で企業の分析をやっていきたいと思っています。
企業分析バトル(株式投資)大学対抗戦 競技ルール
・月200万円の投資金額を上限に、銘柄(企業)を選び分析するバーチャル投資とする。
・投資対象は、国内上場企業の現物取引。
・株式の売買価格は任意の時間の価格とする。
・競技期間は6か月。順位は、投資した銘柄(企業)の運用・売買で得た6か月の合計の利益額で決める。

学生投資連合USIC 「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
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