きょうは50代のOさんがいらっしゃっています。
「これからの働き方には『自律的なキャリア形成が必要だよ』と言われますが、私自身は能力がそんなに高くないので、どうやって形成していくのかも分かりません。自分で自分のキャリアを考えて、作り上げるって実際どうしたらいいんでしょうか」
「自分の可能性はまだある」と思い込む
年齢を重ねていくたびに、Oさんのように「自分には能力ないからムリだよ」という気持ちが大きくなっていくこともありますよね。「今から新しいことは難しい」「もう限界かも」。こんな気持ちになってきて、自分自身で自分の可能性や選択肢を狭くしてしまうんですね。
人生100年時代とは言われても、実際には「60歳まであと3年だ、65歳まであと○年だ」という発想が頭の中から抜けきっていないのではないでしょうか。そうすると、「あと数年なんとかすればいい」という気持ちからも、勝手に自分の限界を決めてしまうんですね。
そこで、まずはこの自分の限界から抜け出すことが大事です。
定年までのあと3年、あと5年ではなく、自分の人生をこの先どうしたいかと考えることで、「まだいけるんじゃないか、そのためにはまだやれることあるんじゃないか」と自分には可能性がまだあると気持ちが変化していくものです。
「自分の限界はここじゃない」と多少の思い込みも必要なんじゃないかと思います。
過去の学びから離れてみる
年齢を重ねていくことで、知識や経験が積み上がっていきます。もちろん、知識や経験は強みでもあり人生の武器にもなっていくものですが、自分で自分のキャリアを考え作り上げていくうえでは、過去からの学びが邪魔をしてしまうこともあります。
「これまで学んできたことが正しい」「うまくいったことを続けるべきだ」と、過去からの知識や伝承だけに頼ってしまうと、突発的なことや変化に対応できない人になってしまうのです。
そこで、過去の学びからいったん離れて、新たに学び直しや他のやり方を試したりすることも大事です。
働き方についても同じで、昨今、働き方に対する価値観も多様化しています。「仕事よりもプライベート優先」「社内の昇格には興味がない」など、考え方はさまざまです。
「働き方はこうあるべきだ」と決めつけるのではなく、「本当はどんな働き方をしたいんだっけ」と考えてみてはいかがでしょうか。そうすることで、だんだんと自分で自分のキャリアを考えられるようになっていくはずです。
自分と違う価値観の人と話をしてみる
たとえば、違う会社の人だったり、自分より年代の若い層だったり、自分と違った価値観の人と話をするのもおすすめです。自分と全く違う価値観を持った人から話を聞くと、「こんな考えもあるんだな」とか、「他の人の話を聞くと、自分の悩みはそんなに大したことないな」など、気づきがたくさんあると思います。
また、自分が考えていることをあらためて言葉にして人に伝えることで、「自分の進みたい道」が定まってくることもあるでしょう。今の会社の中で、「まだできることがある」と気づくこともあるかもしれません。自分の限界を決めているのはOさん自身です。ぜひ、これからの働き方に向けて、自分でキャリアを作り上げていきましょう!!
(ひろ子ママ)