静観を続ける北海道大学の花野直樹さんが、再び動き出しそうだ。「200MA(200日移動平均線)を明確に上抜けしたら上昇トレンド、下抜けしたら短期トレンド」との判断に基づき挑む。ここらが勝負どころと見ているのかもしれない。
明治大学の城正人さんは、保有していたイーサリアムを売却。「今、お金が集まりつつあるマーケットを見極め、将来性のある銘柄のスクリーニングをして仕込んでおくべき局面といえます」と、積極的に動いていくもよう。東京大学の迫嵩明さんはお休み。
仮想通貨の急落と今後の方向感(北海道大学 花野直樹さん)
トレードは、今週(8月22日週)もノーポジでした。今週の相場の振り返りですが、仮想通貨は先週の終わりに大きく下落したものの、大きな値動きはなく、狭い範囲を行ったり来たりする展開が続きました。しかし、26日(金)のジャクソンホール会議でFRB(連邦準備制度理事会)のパウエル議長がインフレ退治の意思を改めて明確にし、過熱感のあった相場に喝を入れたため、また下落してきました。
繰り返しになりますが、年初からの下落相場が終わるのは利下げが示唆されてからだと考えているため、今回のパウエル議長の発言で、短期~中期の相場は下落継続の方向で決まったのではないかと思います。そして、ここ数週間は来年に利下げされるという楽観からくる上昇だったと思います。
しかし、今年の相場を見ていると市場参加者は昨年の「コロナバブル」を忘れられず、上昇気流に乗りたくてうずうずしているような雰囲気があり、ここ数週間のような上げ局面が何回かありました。
また10月にはアメリカの中間選挙があり、それに向けてアメリカの株価が再度上がる場面もあるのではないかと思います。今年の相場はそういった局面を見極めて数週間程度の短期~中期でトレードをしていくことが勝つための戦略になると思います。
では、どのようにその上昇局面を判断したらよいのでしょうか? 仮想通貨は年初から70%も下落しており、かなり割安感はありますが、値ごろ感で買うと痛い目を見るのでここで自分のトレンド転換を判断するのに見ているものを紹介したいと思います。
その手法は至って簡単で、200MA(200日移動平均線)を明確に上抜けしたら上昇トレンド、下抜けしたら短期トレンドというものです。これは1時間足以上の時間足で使うことができ、1~4時間足で短期的なトレンド、日足~月足で長期的なトレンドと判断します。利益確定はポジションをとった方向と逆に200MAを抜けたら行います。この方法は今年の相場でかなり効いていると思うので、この方法で今年の残りの相場を戦っていきたいと思います。
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
8月26日現在 9754円
◆ 池田昇太のワンポイントアドバイス
金融引き締めは長期化が懸念されていますね。実際にアメリカ米雇用動向調査の非農業部門の求人件数は予想数値よりも上であり、業種別S&P500も11業種で下がっています。移動平均線の動きを見ても、短期・長期とも下落トレンドになると思われます。
ビットコインのチャートを見ると、1万9000ドルあたりがサポートラインとなっている様子があり、そこを下抜けると一気に下落するかもしれません。
ただ、おっしゃるとおり10月はアメリカの中間選挙ですし、9月は株価が底値になりやすいともいわれています。そのように考えると、仮想通貨の買いのチャンスは9月には訪れそうですね。
北大金融研究会の所属。ふだんはテクニカル分析を使った株式の短期トレードをしています。やるからには1位をとれるよう、頑張ります!
イーサリアム売却もポジション比率30%は維持(明治大学 城正人さん)
さっそく、今週(8月22日週)の取引から。今週は株式市場や仮想通貨市場が週末にかけて大荒れ模様となりました。今週は資産額に対するポジション額が60%を超えていたこともあり、トレンドラインを割り込んだ際に一たん利益を確定しました。
しかし、先週決めたように果敢に購入するという姿勢は崩さず、保有資産に対するポジション比率は30%程度を維持しました。
さて、こうした「市場からお金が抜けている局面」においては、今、お金が集まりつつあるマーケットを見極め、将来性のある銘柄のスクリーニングをして仕込んでおくべき局面ともいえます。
今回は注目を集めていて、私が将来性があると考えているicp(internet computer)の概要をみていきます。
◆ 現在のブロックチェーンの課題とは?
現在、ブロックチェーン上ではNFT(非代替性トークン)やDeFi(分散型金融)などのサービス、製品が提供中です。一般的な製品の提供方式は、下図のとおり。ブロックチェーンに直接アクセスするのではなく、AWS(Amazon Web Services)などのサーバーによって構築されたWebサイトなどによってサービスが提供されています。
つまり、サーバーの管理者がサービスの存続について大きな権限を握っていることになります。
また、NFTの画像データがサーバーのデータベースに保存されていることもあり、万が一規制によってデータの提供が止められたり、事故によってデータが消失したりした場合にはNFTの画像を見ることができなくなります。
そんな問題を抱えたブロックチェーン、そしてその技術を利用した製品(Dapp)、internet computerはその問題を解決しようとしています。その解決法とはズバリ、「アプリケーションサーバーの役割もデータベースの役割もすべて分散化する」ものです。
技術的に非常に興味深いプロジェクトだと思います。
◆ 投資の側面からは?
それでは投資の側面から検証していきましょう。チャートはおよそ1年半前の誕生当初からひどい右肩下り。あまりにも期待値が高すぎたことが原因だと考えます。
しかし、全体的に下落基調にある仮想通貨市場のなかで、ghostNFT保有者に対するエアードロップを行い、界隈では盛り上がっています。
長期的な技術の発展を信じ、なくなっても良い程度の金額を投資しておくのは良いアイディアかもしれません。
◆ まとめ
今週は注目のブロックチェーン「icp」を取り上げてきました。閾値署名などの技術的に注目の要素もあるので、今後機会があればご紹介できればと思います。
◆ 今週の取引
8/26 イーサリアム(0.01枚)を 23万円 で売却。
・保有資産
ビットコイン 0.00001枚 評価額2735円
現金 7010円
前週からの損益 マイナス74円
8月26日現在 9745円
◆ 池田昇太のワンポイントアドバイス
イーサリアムは短期的には上昇しているように見られましたが、8月15日週から再度下落しましたね。25~26日の週末にかけて200日移動平均線を上回りそうな様子もありましたが、超えられずに下落しました。今後は短期的にも下落が続きそうです。
しかし、9月は株式市場が下落しやすい傾向にありますので、イーサリアムを買い増しするのに良いタイミングが来るかもしれません。
またicp(internet computer)については、現在の問題点を解消する可能性があるように感じられました。おっしゃるとおり、実質的にサーバー管理者が介入しているため、今のブロックチェーンは完全に分散的とはいえないでしょう。そのためipcがどのように普及していくか、今後に期待ですね。
2021年に引き続き、出場します! 投資対象として仮想通貨に興味を持つも、その技術の持つポテンシャルに惹かれDapp開発に着手。投資家としてだけでなく、開発者としての視点からの投資戦略も立てていきます!
Twitter: https://twitter.com/dennoah_jo
◆ 取引はお休みしました(東京大学 迫嵩明さん)
前週からの損益 プラス・マイナスゼロ
8月26日現在 1万円
学生投資連合USIC代表
高校3年生の時に株式投資のおもしろさに目覚める。日本株、米国株、仮想通貨投資を行う。長期的に伸びる市場でビジネスを展開している企業に長期投資することをモットーとしており、テンバガーを虎視眈々と狙っている。 金融を学ぶ「おもしろさ」、投資を始める「意義」を多くの人に知ってほしいと切に願う。
学生投資連合USIC:https://www.usic2008.org/
◆ ◆ アドバイザーのプロフィール
フリーランスのWebディレクター。金融系メディアを対象に執筆やディレクター業務に従事。投資歴7年。FXと仮想通貨をメインにトレードしています。ファンダメンタル分析よりかはテクニカル分析を好む。最近はNFT(非代替性トークン)の詐欺事例、法的問題について関心あり。
大学対抗戦「暗号資産バトル」競技ルール
・元本は1万円。
・通貨の選定は自由。ただし、国内の事業者で買える暗号資産に限定。
・レバレッジはかけられません。
・20%を超えて下げた場合は、強制的に取引を停止(ロスカット)とする。
・元本割れは1回まで。2回、資産を失った場合は、その時点でリタイアとする。
・運用期間は6か月。最終週時点での資産増減額で順位を決める。
学生投資連合USIC
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/