「取引先からの電話に出られない!」自分だけ休んでいる罪悪感
ところが、お給料はそのままで勤務時間だけ短くなる「夢の週休3日制」ですが、時間が経つにつれて、マイナス面も浮き彫りになってきたようです。次のようなタイトルの記事が増えてきました。
The Pros and Cons of a 4-Day Workweek」
(週4日勤務の長所と短所)
pros and cons:長所と短所、賛否両論
「週休3日制」には、「pros」(長所)だけではなく「cons」(短所)がある、という指摘ですが、具体的にどんな「cons」(短所)があるのでしょうか?
まず指摘されているのが、取引先や顧客とのコミュニケーション面での「cons」(短所)です。
平日に休みを増やすと、取引先からの電話に出られず、「何やっているんだ!」と怒られることが増えた、「(候補日が減るので)打ち合わせ日程がなかなか決められない」といったことが起きているそうです。
とくに、取引先は稼働しているのに「自分だけ休んでいる」状況は、あのおおらかな英国人でさえ「feel guilty」(罪悪感を覚える)というのですから、よほどのことなのでしょう。取引先からのネガティブ反応を恐れて、「週休3日」を内緒にしている「隠れ週休3日組」が多い、とも報じられていました。
また、サービス業の場合、顧客からの注文や問い合わせへの対応が遅れて相手をイライラさせたり、ライバル企業にスイッチされてしまったりする「実害」も生じている様子。
さらに、稼働日の4日間に業務が集中して残業が増えてしまい、保育園や幼稚園など「子どものお迎えの時間に間に合わない!」ケースも増えているそうです。
なかには、「4日間で1週間分の仕事を片付けるのはプレッシャー」「ストレスが増えた」といった、精神面でのマイナスを訴える人もいるようですから、なかなか計算通りにはいかないようです。
それでは、「今週のニュースな英語」は「pros and cons」(長所と短所)を使った表現を学びます。ビジネスの場面でもよく使われる英語表現です。
The pros and cons of being a freelancer
(フリーランスで働く長所と短所)
The pros and cons of new program
(新しく導入したプログラムの長所と短所)
The pros and cons of public vs private school
(公立学校と私立学校、長所と短所)
日本国内では、先日LINE社が実施した「今後したい働き方」の調査で、第1位に輝いたのは「週休3日制」だったと発表されました。
「在宅勤務」や「副業」といった「新しい働き方」を押さえて堂々の1位。英国「試験プログラム」を見る限り、「みんなでいっせいに始める」ことが要諦ではないかと感じています。
(井津川倫子)