政府の小麦価格据え置きで「一服感」が年末にくる?
ただ、「朗報」もある。一時は10月に2割以上の値上がりが想定された小麦価格を、政府が現在の水準に据え置く方針を固めたため、小麦価格高騰が反映された春先の「値上げラッシュ」再来は年明けまで回避できそうだ。
また、11月以降に予定されている値上げは年内2番目の少なさとなり、値上げの波は秋口をピークに、いったん収まる気配をみせている=再び、図表1参照。
だが、「まだ安心できない」として帝国データバンクでは、こうコメントしている。
「多くのモノ・サービスで値上がりが続くなか、食品各社でも価格改定への抵抗感は低下しており、機動的に値上げ・再値上げを行う企業・品目が多い。原材料価格高騰と円安、原油高 と『三段構え』のコスト増で、長年価格を据え置いてきた食品なども価格改定を余儀なくされるケースもみられ、春・夏を上回る記録的な値上げ『第三波』を形成する要因となった。
(小麦価格は据え置かれる見込みだが)電気代や燃料費、人件費に加え、食用油など一部の原材料では足元で高止まりが続いており、断続的な値上げが今後も続く可能性は残されている」