10月の値上げ、ビール大手、清涼飲料水が一斉に
帝国データバンクによると、「値上げラッシュ」は10月にはピークを迎える。10月にはアサヒ、キリンなど大手各社のビール類や、コカ・コーラ、伊藤園など清涼飲料水で一斉値上げが予定されており、10月単月だけで6500品目を超える。これまで年内最多だった8月の2.5倍という記録的な値上げとなる。
各品目の価格改定率(各品目での最大値)も平均で14%に達し、原材料高や急激に進んだ円安を反映した夏~秋以降の大幅な価格引き上げが、全体の値上げ率上昇につながっている。
また、食品105社のうち、今年値上げを行う企業の割合は約8割に当たる82社となり、昨年の21社から約4倍と急増した=図表2参照。昨年の値上げは、主に食用油価格の高騰が理由。そのため、値上げした企業・食品ともに少なく、影響は限定的だった。
しかし、今年は状況が異なる。
食用油や小麦などの食材高に加え、原油高に伴う包装資材や容器、物流費の高騰、さらに急激な円安が重なり、ほとんどの食品・飲料で値上げが行われている点が特徴だ。
食品分野別に値上げ品目をみると、最も多いのは加工食品で8530品目が判明。値上げ率も平均で16%に達し、年後半に大幅に値上がりする食品が多い。とくに、調味料が4651品目と突出して多いことが目立つ。これは、原料の砂糖や食用油が年内に複数回値上げされたことが響いた。また、だし製品のほか焼肉のたれ、マヨネーズ製品など幅広い品目で値上げが顕著だった=図表3参照。