「人材の定着率向上にもつながる」
ところで、SDGsには17の目標が設定されているが、企業はどの項目に熱心に取り組んでいるのだろうか。現在力を入れている項目を聞くと(複数回答)、働き方改革などを含む『働きがいも経済成長も』(31.4%)が最も高かった=図表4参照。
これは、文字通り、「働き方」と「経済成長」に焦点を当てた内容で、「キャリアパスに応じた研修」や「従業員の健康保持・増進」「障害者の雇用促進」「ライフワーク・バランス」「環境に配慮したサプライチェーン」といった幅広い取り組み方があり、企業にとって取り組みやすい目標だ。
次いで、リサイクル活動やエコ商品の生産・使用などの「つくる責任つかう責任」(22.9%)、再生可能エネルギーの利用などの「エネルギーをみんなにそしてクリーンに」(22.5%)、CO2排出量の少ない原材料の使用などの「気候変動に具体的な対策を」(21.1%)が続いた=再び、図表4参照。
SDGsに取り組んだ効果について聞くと(複数回答)、ダントツのツートップは「企業イメージの向上」(37.2%)と「従業員のモチベーションの向上」(31.4%)だ。両方とも人材の定着率向上にもつながるという点で、経営面でも大きなプラスになる=図表5参照。
次いで「経営方針等の明確化」(17.8%)、「採用活動におけるプラスの効果」(14.0%)、「取引の拡大(新規開拓含む)」(12.3%)などが続き、企業の見られ方の向上に関する効果が上位に並んだ=再び、図表5参照。全体的にSDGsの効果を実感している企業は66.5%となった。SDGsをビジネスチャンスとして捉え、実際に売り上げ向上につなげた企業が多かった。