なぜ米国株は長期投資に向くのか
「週刊エコノミスト」(2022年9月6日号)の特集は、「やっぱり最強! 米国株」。
8月中旬から軟調な動きに転じた米国株だが、現在の調整局面は「米国株の絶好の仕込み時」と市場関係者は見ているという。際立つ経済の規模と米国企業の成長力の高さをレポートしている。
なぜ米国株は長期投資に向くのか。
マネックス証券チーフ・外国株コンサルタントの岡元兵八郎氏は、米国と日本の代表的な株価指数であるS&P500とTOPIXの配当込みのパフォーマンスを円ベースで比較。そして、1989年末を100とした場合、21年末までの32年間で、TOPIXは横ばいの105だったのに対し、S&P500は1988と約20倍近くに上ったことを挙げている。
また、S&P500採用銘柄の1株当たり利益は右肩上がりのトレンドを描き、上下動を繰り返すTOPIXのそれとは対照的だ。
日米の経済格差は今後も拡大すると見ており、日米の実質GDP(国内総生産)の差は、22年の4倍から50年には5.3倍に拡大するというOECD(経済協力開発機構)の数字を示している。
そのうえで、長期保有の注目銘柄として、2023年に黒字化が予想される航空機製造大手のボーイングと配送の自動化に積極投資をするアマゾン・ドット・コムを挙げている。
このほかのアナリストは、注目テーマ別に、コカ・コーラ、マクドナルド、テスラ、ファイザーなどのほか、BtoB銘柄などを取り上げている。
「米国株を保有し続けなければ、『持たざるリスク』を負うことを意味する」という1行の重みをかみしめる人も少なくないのでは。
(渡辺淳悦)