トラブル絶えなかった外国人「技能実習制度」見直しへ 少子高齢化、人口減...労働力不足の日本、「移民問題」につながる課題

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米国務省年次報告...日本の人身取引撲滅の取り組み、「最低基準満たさず」

   こうした問題の背景には、原則3年間は転職ができず、労働者として立場が弱いという構造がある。

   実習生は母国の送り出し機関に多額の手数料を支払い、数十万円といった多額の借金を背負って来日するケースが少なくない。不当な仲介料をとるブローカーも後を絶たない。

   また、実習先を変更できないため、劣悪な環境下でも仕事を続けざるを得ない状況もある。そのため、耐えられずに逃げ出して失踪する人が絶えず、2021年は7167人にのぼった。

   政府は雇用している企業への監督を強化してきたというが、実効性は上がっていない。

   たとえば、米国務省が世界の人身売買に関する年次報告書を毎年発表しているが、22年7月19日の最新版は、日本政府の取り組みについて「人身取引撲滅のための最低基準を十分には満たしていないが、満たすべく相当の取り組みを実施している」と、微妙な評価だ。

   くわえて、具体的に技能実習制度について、

「日本国内にいる移住労働者の強制労働の報告は、政府が特定した数よりも多かった」「政府と送り出し国との協力覚書は、借金を理由に技能実習生を強要する主な要因の一つである外国に拠点を持つ労働者募集機関による過剰な金銭徴収を防止する上で効果を発揮しておらず、政府は同制度の下、募集を行う者と雇用主に対して、労働搾取目的の人身取引犯罪の責任を課す対策を全く講じなかった」

などと指摘している。

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