きょうは50代のNさんがいらっしゃっています。
「私の会社にも60歳以降も雇用延長して働いている人がいますが、給料が下がったせいなのか愚痴が多い気がします。『健康でこんなに会社に貢献しているのに、若い人よりも冷遇されている』と文句言いながらも、継続して働いています。愚痴が多すぎて、私も積極的に仕事を頼むのは控えているところです。会社の制度自体、これから変えていかないとはいけないと思いますが、個人にも必要な心意気もあると思うんですよね」
自分で意思決定が必要でなかった時代...からの変化
年功序列、終身雇用といった言葉が当てはまっていた時代は、「自分で意思決定しなくても」みんなと同じように定年まで働き、定年後の人生を楽しむというような生活が成り立ってしまうような世の中でした。
しかしながら、デジタル社会、グローバル化など時代の変化は凄まじく、50代以降のキャリアも一筋縄でいかない時代に突入しています。「60歳以降も働かないと大変な時代」だから「60歳以降もそのまま継続して働きたいから、企業はその分給料払ってね」なんて心意気で働くとしたら、うまくいかないことが多いと思います。
キャリアを会社任せにしているだけだと、給料が下がることに不満を感じ、評価されていないのを年齢のせいだけだと勘違いしてさらに不満が膨らんでいく......悪循環でしかありませんよね。
「正解はわからないけれど、まずはやってみよう」と意思決定
雇用延長がいつまで続くか不安だけど、「まわりのみんなも、のほほんと過ごしているから、大丈夫かな、焦る必要もないかな」と過ごしていると、あっという間にピンチがやってくるかもしれません。今の世の中には「絶対大丈夫」という言葉が通じないため、自分の人生を自分で広げていくしかないと思います。
しかし、新しい分野に挑戦するとしても、それが正しい選択なのかわかりませんし、もしかしたら失敗することがあるかもしれません。でも、何も始めなかったら今のまま、不安を感じながら過ごす日々が伸びるだけです。そこで、「正解は分からないけれど、まずはやってみよう」という心意気が必要になってきます。
自分で選んだ道を「正解」にしていく
ここ最近は、社会人になって「リスキリング(学び直し)」をする人が増えていますが、それも一つの選択です。一度仕事を退職して学ぶ人、今の仕事を続けながら土日や夜間の時間を使って学ぶ人がいます。学んだからといって、必ずしも活かされるかどうかはやってみないとわかりません。
「失敗するからやっぱりやめようかな」「投資しても必ず資格が取れるわけじゃないからどうしようかな」と悩んでしまう気持ちもわかります。しかしながら、資格の学校の「資格取得率」「学習継続率」などを調べる時間は安心感にはつながるかもしれません。けれども、新たな不安が増えるだけな気もします。ある程度調べたら、やっぱり実行に移す勇気が必要です。
最近、「学生時代に奨学金を借りた人のその後の人生」がまとめられた記事を読みました。ある人は借金が膨らみ奨学金を借りたことを後悔、ある人は大学に行く経験もでき人生が好転したと感謝、同等の額の奨学金を借りながらも人生が大きく分かれています。
同じ選択でも、大きく結果が変わっているのです。借金も含め自分が投資した金額、自分で選んだ道を「正解」にしていく努力が大事なのではないでしょうか。
これまでの常識が通用しない答えのない時代では、考えるだけでは答えが見つかることがありません。自分で意思決定をして、その決定を正解に近づけていく......大変な時代ともいえますが、自分で有意義な人生に変えていくことも可能なのではないでしょうか。
Nさんもぜひ、自分で切り開いていく人生にしてみては。
(ひろ子ママ)