2週間ほど海外を歩いてきた北海道大学の金融研究会。出発前に入れていた米ドル買いのポジションのゆくえに気を揉んでいたが、円安が進み、利益を得た。しかし、「これは運がよかったとしか言いようがないので、次からはできれば自分の実力で勝ちたいところです」と、気合を入れ直した。
一方、資源国通貨の注目する一橋大学のチームMegisは、今週(2022年8月15日週)は南アフリカランドを選択。原油価格を頼りに取引を検討した。同志社大学の岩瀬颯汰さんは、今週は米ドル円とトルコリラ円での取引を考えていたが、トルコ中央銀行の予想外な利下げでこれを見送り。米ドル円1本で勝負したところ......。
2週間ぶりのトレード復帰 運勢がよかった!(北大金融研究会)
こんにちは。2週間ぶりです。この2週間、外国に行っていたのですが、利用しているデモ口座が海外のネットワークでは使えない、ということで、ずうっとトレードをできずにいました。外国出発前に入れていたドル買いがどうなるか、不安でしたが円安が進み、利益となりました。 まさかこんなことがあるとは思っていませんでしたが、第9節で大きくマイナスになってしまったのを取り返すことができてよかったです。よく、お金に稼いでもらうとは言いますが、こういうことなのだと実感しました。しかし、これは運がよかったとしか言いようがないので、次からはできれば自分の実力で勝ちたいところです
◆ 今週(8月15日週)の取引
今週はあまりトレードしていません。2週間前のドル買いの利益を確定したのですが、まだドル円が上がりそうだったので、もう一度買いを入れ、それを売っただけです。
上がりそうだと思ったのは単純に、チャートの動きからまだ円安のトレンドが強く、日足で見た時のトレンドラインを割らない限りは買いで問題ないと感じたこと、日米間の長期金利の差が拡大しているためです。3週間ほど前、円が暴騰しましたが、半年以上のスパンで見れば、それでトレンドが変わったようには見えません。やはり今の時期はドルを買うのが正しとは思っています。
しかし以前のように、暴騰に巻き込まれてはひとたまりもありません。損切りラインを甘めにつけながらも、暴騰時、しっかり損失を抑える工夫をしなければと思っています。
残り少ない時間、他の大学のみなさんにできる限り追いつけるよう、頑張りたいと思います。
前週からの損益 プラス7万8810円
8月19日現在 99万5670円
◆ ゆかてぃんのワンポイントアドバイス
ポジションを持ったまま10数日決済できない状況はハラハラしますが、なんとかプラスで決済できて何よりでした。
今週(8月15日週)はFRB(米連邦準備制度理事会)のボードメンバーのタカ派発言から、26日(金)のジャクソンホールでパウエルFRB議長が、今年残りのFOMC(米連邦公開市場委員会)でタカ派な方針や発言が出てくるのではという思惑などからドル円は上昇してきました。
ただ、23日(火)に発表されたPMI(Purchasing Manager's Index:購買担当者景気指数)の結果では非常に悪い数字が出て、ドルが暴落しました。単に日米の金利差だけで見ると上方向で間違いはないのですが、景気悪化でドルは重しになるけどFRBはどんどん利上げをしてくるというところで、指標一つで1円以上動くとなると、なかなかそうもいかないのかもしれません。指標に気を付けながらトレードしたいところですね。
Xトレードは初挑戦。今まではファンダメンタルを基礎とした株式投資を行っていました。今回のFX大学対抗戦では、せっかくのデモトレードということで、テクニカル分析にも挑戦したいです。趣味は映画観賞。最近観た映画の中では「ドライブ・マイ・カー」が推し。
北大金融研究会(HFAC)所属。投資は積立投信から始め、半年ほど経つ。FXは試しにかじってみたものの1500円の損失を出し、情報の大切さと難しさを体感。今回、もう少しチャレンジしてみることにした。趣味は旅行、写真など浅く広く。プロフィール写真は今年2月に訪問した納沙布岬。
?北大金融研究会
原油価格の下落と新興国通貨の関係は?(一橋大学 チームMegis)
今週の最も印象深かったニュースの一つは原油価格の下落でした。TWI原油先物の9月限は8日15日にー時1バレル=ドルと6か月ぶりの安価となりました。ロシアによるウクライナ侵攻とそれに伴う経済制裁の影響で高騰していた原油価格が下落傾向にある背景には米国経済の先行き不安と石油需要の先細りが予想されていることがあるといわれています。米FRBは通常ペースの3倍である0.75%の利上げを繰り返しており、この急速な利上げが不況につながるのではないかという懸念は現在も根強くもたれていると考えられます。
しかし、資源高が収束していくのは経済にとって好条件であるようにも思えます。ですが、そう単純な状況でないようです。ロシアは制裁に参加しないインドや中国に対して原油や石炭の輸出を進める一方、制裁を行っている欧州に対しては資源供給を大幅に絞っています。ウクライナ侵攻によって資源供給体制が変化してしまったとの見方もあります。
さらに新型コロナウイルスによる労働市場やサプライチェーンの混乱もコスト増に拍車をかけています。すでに電力を大量に消費する金属分野では生産能力に深刻な影響が出ており、世界経済への悪影響は十分警戒する必要があります。
私たちが注目していた資源国通貨に関してもこの流れを強く受けていると考えられます。南アフリカは白金を主要な輸出品目としています。白金は貴金属としてのほかに化学産業で使われるためこのような状態の影響を一部うけ、先物価格が下落しています。
8月25~27日に行われるジャクソンホール会議も注視する必要があります。26日にはパウエルFRB議長の講演も予定されています。利上げペースをゆるめるのかどうか、何らかの発言があれば大きな値動きの原因となりそうです。9月には米雇用統計の発表も控えており、そこに向けたインフレ先行きの見通しを考えていきたいと思います。
前週からの損益 マイナス4530円
8月19日現在 90万4743円
◆ ゆかてぃんのワンポイントアドバイス
18日(木)の南アフリカランド/円を見ると、日足では予想どおり下落していますが、マイナスだったというのはエントリーか決済のタイミングが違ったのでしょうか。8円付近が今年の7月からかなり意識されているサポートなのでブレイクアウトを狙ったのかなと推測しますが、ブレイクならずでしたね。
アメリカはインフレと景気後退が大きなテーマになってきており、経済指標や要人発言で大きく動く状況なので注視して見ていきたいですよね。今週はマイナスでしたが、切り替えて次週頑張っていただきたいですね!
林檎
一橋大学投資サークルTOWALYに所属しています。ファンダメンタルズ分析を基に株式投資を行っており、FXはまだ初心者です。モラトリアム実践中! 経験が浅いFXでは試行錯誤が続くことと思いますが、みなさんに成長していく姿をお見せしたいと思っています! よろしくお願いします!!
一橋大学投資サークルTOWALYに所属しています。FXの経験はまだ浅いのですが、この一年を通してさまざまなことを吸収し、成長していきたいと思っています。テクニカル分析に興味があります! 1年間よろしくお願いします!
危険なトルコリラ? 取引は見送ったけど...(同志社大学 岩瀬颯汰さん)
◆ 今週(8月15日週)の相場
今週は17日に、7月26日、27日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録が公表されました。議事録によると、今後の利上げ幅について、「適切な金融政策スタンスを検討する際、経済見通しに対する影響を引き続き監視し、FRB(米連邦準備制度理事会)の使命の達成を妨げる可能性のあるリスクが発生した場合、金融政策スタンスを適切に調整する」とし、景気後退の恐れがある場合、利上げペースを抑える可能性が示唆されています。
18日にはトルコ中央銀行(TCB)による政策金利の発表がありました。トルコは現在80%近いインフレ率であり、低中所得者層が商品価格の高騰に苦しめられている状況にあるにもかかわらず、今回主要政策金利を14%から13%に引き下げると発表しました。利上げがインフレを引き起こすと考えるエルドアン大統領の主張が反映された結果ではありますが、トルコは昨年にも5%の大幅利下げを行い、通貨危機を引き起こしていることから、今回の利下げも通貨危機とまでは行かずとも物価上昇に拍車がかかることは明白と思われます。
◆ 実際の取引
今週は米ドル円のみの取引となりました。17日のFOMCの議事録公開を受け、利上げペースが穏やかになるとの見通しから18日に5ミニロットでショート(売り)しましたが、19日には大幅な円安トレンドとなり、損切りすることにしました。
◆ 所感
今週は、じつは米ドル円とトルコリラ円の2ペアで取引する予定でした。しかし、トルコ中央銀行の予想外な利下げで、どれほどリラが急落するかの予測が立たなかった点から危険性を感じ、トルコリラ円の取引は見送りました。
これに対して米ドル円は、17日の議事録公開からリセッション(景気後退)懸念により円高になるかと思われましたが議事録をとった7月26、27日以降の米金融当局の発言が積極的な利上げを支持していることから今後も積極的な金融引き締めが行われるとの見通しから大幅な円安となっているようです。来週にはFRBのパウエル議長の講演を控えており、今後も注視していきたいところです。
◆ 取引状況
前週からの損益 マイナス4万7000円
8月19日現在 180万6222円
◆ ゆかてぃんのワンポイントアドバイス
議事録がマーケットではハト派な内容と受け取る方も多くいたのですが、元外銀ディーラーの方の情報によると、FRB(米連邦準備制度理事会)ボードメンバーのタカ派発言が今月から何度も繰り返し出ているそうです。ここ1か月ほど株価が上昇していたので、CPI(消費者物価指数)がピークアウトし、利上げペースを下げるといった見通しの警戒感から、マーケットを冷やすための言動を繰り返していると取れるのかもしれません。
そして、岩瀬さんの仰るとおり、恐らくジャクソンホール会議でもパウエルFRB議長は強いタカ派発言が出てくるのではという思惑が出てきています。次週以降、重要指標や要人発言があり、面白い相場になるかもしれませんね。
FXは高校時代から独学で学んできており、このたびは自身の実力を試したく、このFX大学対抗戦に臨んでいます。不束者ですが、よろしくお願いします。
◆ ◆ アドバイザーのプロフィール
得意な通貨はポンドで、最近は仮想通貨も取引。
ツイッター @fx_yukatin
CXR投資チャンネル https://www.youtube.com/channel/
100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはフリーとします。
・レバレッジは、25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で大きな損失が発生して資産が「ゼロ」になった(元本割れを起こした)場合は、その時点でリタイアとなります。
・運用期間は6か月で、最終週時点での資産増減額で順位を決めます。
学生投資連合USIC
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/