危険なトルコリラ? 取引は見送ったけど...(同志社大学 岩瀬颯汰さん)
◆ 今週(8月15日週)の相場
今週は17日に、7月26日、27日に開催されたFOMC(米連邦公開市場委員会)の議事録が公表されました。議事録によると、今後の利上げ幅について、「適切な金融政策スタンスを検討する際、経済見通しに対する影響を引き続き監視し、FRB(米連邦準備制度理事会)の使命の達成を妨げる可能性のあるリスクが発生した場合、金融政策スタンスを適切に調整する」とし、景気後退の恐れがある場合、利上げペースを抑える可能性が示唆されています。
18日にはトルコ中央銀行(TCB)による政策金利の発表がありました。トルコは現在80%近いインフレ率であり、低中所得者層が商品価格の高騰に苦しめられている状況にあるにもかかわらず、今回主要政策金利を14%から13%に引き下げると発表しました。利上げがインフレを引き起こすと考えるエルドアン大統領の主張が反映された結果ではありますが、トルコは昨年にも5%の大幅利下げを行い、通貨危機を引き起こしていることから、今回の利下げも通貨危機とまでは行かずとも物価上昇に拍車がかかることは明白と思われます。
◆ 実際の取引
今週は米ドル円のみの取引となりました。17日のFOMCの議事録公開を受け、利上げペースが穏やかになるとの見通しから18日に5ミニロットでショート(売り)しましたが、19日には大幅な円安トレンドとなり、損切りすることにしました。
◆ 所感
今週は、じつは米ドル円とトルコリラ円の2ペアで取引する予定でした。しかし、トルコ中央銀行の予想外な利下げで、どれほどリラが急落するかの予測が立たなかった点から危険性を感じ、トルコリラ円の取引は見送りました。
これに対して米ドル円は、17日の議事録公開からリセッション(景気後退)懸念により円高になるかと思われましたが議事録をとった7月26、27日以降の米金融当局の発言が積極的な利上げを支持していることから今後も積極的な金融引き締めが行われるとの見通しから大幅な円安となっているようです。来週にはFRBのパウエル議長の講演を控えており、今後も注視していきたいところです。
◆ 取引状況
前週からの損益 マイナス4万7000円
8月19日現在 180万6222円
◆ ゆかてぃんのワンポイントアドバイス
議事録がマーケットではハト派な内容と受け取る方も多くいたのですが、元外銀ディーラーの方の情報によると、FRB(米連邦準備制度理事会)ボードメンバーのタカ派発言が今月から何度も繰り返し出ているそうです。ここ1か月ほど株価が上昇していたので、CPI(消費者物価指数)がピークアウトし、利上げペースを下げるといった見通しの警戒感から、マーケットを冷やすための言動を繰り返していると取れるのかもしれません。
そして、岩瀬さんの仰るとおり、恐らくジャクソンホール会議でもパウエルFRB議長は強いタカ派発言が出てくるのではという思惑が出てきています。次週以降、重要指標や要人発言があり、面白い相場になるかもしれませんね。
FXは高校時代から独学で学んできており、このたびは自身の実力を試したく、このFX大学対抗戦に臨んでいます。不束者ですが、よろしくお願いします。
◆ ◆ アドバイザーのプロフィール
得意な通貨はポンドで、最近は仮想通貨も取引。
ツイッター @fx_yukatin
CXR投資チャンネル https://www.youtube.com/channel/
100万円増額計画 FX大学対抗戦のルール
・元本100万円のデモトレードです。
・通貨ペアはフリーとします。
・レバレッジは、25倍を上限(法令に基づく上限)とします。
・取引の過程で大きな損失が発生して資産が「ゼロ」になった(元本割れを起こした)場合は、その時点でリタイアとなります。
・運用期間は6か月で、最終週時点での資産増減額で順位を決めます。
学生投資連合USIC
「学生の金融リテラシー向上」を理念に全国26大学1000人以上で構成。企業団体・官公庁との勉強会の開催、IRコンテストの運営、金融情報誌「SPOCK」を発行する。
http://usic2008.com/