毎日社説「福島の事故を忘れたのか」と批判
一方、「福島の事故を忘れたのか」と真っ向から「反対」を表明したのは毎日新聞「社説:原発新増設へ方針転換 福島の反省を忘れたのか」だ。
「今回の方針転換には疑問が多い。政府のエネルギー基本計画は、原発の新増設・リプレース(建て替え)」に言及していない。国民の理解を得るための議論を欠いたまま唐突に打ち出された形だ。
次世代原発は、従来の原発よりも耐震性を強化し、炉心を冷却する手段を増やすなど安全性を高めたものだというが、事故のリスクはゼロではない」
疑問を投げかけたうえで、核廃棄物の問題を放置したままの原発新増設をこう批判した。
「『核のごみ』と呼ばれる原発運転後に発生する高レベル放射性廃棄物の処分方法についても、見通しは立たないままだ。
日本は福島の事故で、エネルギー供給を原発に依存する危うさを学んだはずだ。ひとたび事故やトラブルが起きれば、影響は甚大で、長期に及ぶ。
原発回帰が安定供給につながるとは限らない。再生可能エネルギーを含めた多様な供給源を構築すべきだ。福島の事故以降、原発の安全性への不安は根強く残る。国民不在の方針転換は、政治への信頼を失わせるだけだ」