自動車やバイクメーカーが大学や自治体などと組み、高齢ドライバーの事故防止や健康促進に取り組む動きが広がっている。キーワードはQOL(クオリティー・オブ・ライフ=生活の質)の向上という。
ホンダ...体調データ活用して、高齢ドライバーの運転能力など共同研究
ホンダは2022年8月12日、大手製薬メーカーのエーザイ、大分大学、臼杵市医師会(大分県)と「高齢ドライバーの認知機能や日常の体調変化と運転能力の関係性を検証する共同研究を行う」と発表した。
ホンダの共同研究は、高齢のドライバーが腕時計のような「ウエアラブルデバイス」を手首に装着。睡眠、運動、ストレスなど日々の体調データを測定する。
大分大学医学部とエーザイは、高齢ドライバーの反応速度や注意力をはじめとする認知機能テストを行う。また、ホンダが開発した「ドライブシミュレーター」で、さまざまな交通状況における高齢ドライバーの運転能力を測定する。
参加者は臼杵市在住の65歳以上の100人で、9月1日から2023年3月31日までの半年間実施する。ホンダやエーザイなどは「日々の体調のデータや運転行動などをモニタリングすることで、ドライバーに体調不良や運転に関する認知機能の低下をお知らせする」という。
さらに、ホンダを中心に「一人ひとりの体調や運転能力の変化に合わせた安全運転のアドバイスやコーチングなども検討する」という。