会社支給と個人用携帯、2台持ち歩くのが面倒
一方、個人所有の携帯電話をそのまま仕事に利用している人も多いだろう。どのくらい個人の携帯電話を利用しているのか。「現在利用している」のは大企業が58.0%、中小企業が62.2%となり、「利用意向」は大企業5.5%、中小企業が6.7%となった=図表3参照。
大企業、中小企業ともに6割近くが、仕事をするうえで従業員個人の携帯電話を利用している実態が明らかになった。
こうしたことについて、従業員たちはどう思っているのだろうか。
「社用携帯電話支給」「個人携帯電話に会社の番号提供」「個人携帯電話をそのまま利用」の3つのケースに対する、それぞれの不満を聞いたトップ5位のランキング結果が図表4だ。
これを見ると、それぞれの不満のトップツーは、社用携帯電話利用者が「個人用と2台持ち歩くのが面倒」「丁寧に扱わないといけない」、個人携帯で会社提供番号利用者が「仕事とプライベートの切り替えがしにくい」「料金が個人負担」、個人携帯そのまま利用者は「料金が個人負担」「仕事とプライベートの切り替えがしにくい」だった。
しかし、ここで妙なことに気づく。個人携帯で会社提供番号利用者の不満の2位に、「料金が個人負担」が入っているのだ。会社が契約して通信費を支払っているわけではなかったのか。
あらためて調査担当者に聞くと、こう説明した。
「あくまで推測ですが、先に個人が支払ってあとで清算するパターンや、通話料以外の充電にかかる電気代や端末負荷による故障が個人負担のパターンなどがあり、『料金が個人負担』だと認識している可能性があるかもしれません」
調査は2022年7月8日~7月11日、20歳~69歳の大企業・中小企業の経営者および従業員7115人にインターネットで聞いた。また、大企業は従業員300人以上または資本金3億円以上、中小企業は従業員300人未満かつ資本金3億円以下とした。