「仕事に使うスマホ」会社支給は大企業4割、中小企業3割...6割が個人負担! 意外?「会社支給」嫌がる人、けっこう多い理由とは?

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   仕事に使うスマホ、あなたは会社から支給されていますか、それとも自己負担で個人のものを使っていますか?

   モバイル市場の専門調査会社「MMD研究所」(東京都港区)が2022年8月9日に発表した「2022年法人向け携帯電話の利用実態調査」によると、社用携帯電話を支給しているのは、大企業で4割、中小企業で3割だという。個人のスマホを「仕事」に使わせているところが、それぞれ6割近くある「お寒い現実」が明らかになった。

   かといって、「会社支給でラッキー!」と思っていない人が多いのも事実。それはどうして?

  • 仕事に使う携帯電話は個人の?会社の?(写真はイメージ)
    仕事に使う携帯電話は個人の?会社の?(写真はイメージ)
  • 仕事に使う携帯電話は個人の?会社の?(写真はイメージ)

「050」で始まるIP電話の普及、いまひとつの理由

   20歳~69歳の経営者や社用携帯電話導入担当者、従業員の男女7115人を対象とした今回の調査では、まず、社用携帯電話を利用しているかどうかを聞いた。

   それによると、「現在利用している」と回答したのが大企業42.1%、中小企業30.4%と11.8ポイントの開きがあった。くわえて、「過去利用しており、再度利用したいと思う」と「利用したことはないが、利用したいと思う」を合わせた「利用意向」は、大企業が10.8%、中小企業が15.5%となった=図表1参照。全体的に、大企業のほうが「社用携帯電話」導入に熱心な傾向がみられた。

(図表1)会社から支給される携帯電話を利用しているか(MMD研究所の作成)
(図表1)会社から支給される携帯電話を利用しているか(MMD研究所の作成)

   続いて、個人所有の携帯電話で会社用の電話番号を利用しているかどうかも聞いた。これは、ちょっとイメージしにくいかもしれない。具体的にはどういうことなのか、MMD研究所の調査担当者に取材すると、こう説明した。

「社用の携帯電話を支給しないで、端末は個人所有の携帯電話を使い、電話番号だけを提供するものです。『050』で始まるIP(Internet Protocol、インターネット・プロトコル)電話などが多いと思われます。インターネット回線を使っていますので、大手携帯電話の料金より安く、パソコンやタブレットからも話せます。通信料金は会社が支払うというものです。社員の携帯電話に専用アプリを導入させ、基本使用料を支払えば使えるようになるので、携帯電話をあらためて1台用意するよりローコストです」

   さて、調査によると、個人所有の携帯電話で会社用の電話番号を提供しているところは、「現在利用している」のは大企業が13.6%、中小企業が13.0%となり、「利用意向」は大企業が9.9%、中小企業が12.4%となった=図表2参照。ローコストのせいか、こちらは中小企業のほうが導入に熱心な傾向がみられた。

(図表2)個人所有の携帯電話に会社用の電話番号をつけているか(MMD研究所の作成)
(図表2)個人所有の携帯電話に会社用の電話番号をつけているか(MMD研究所の作成)

   しかし、それほど便利な割には利用する企業が少ないのは、どういうわけだろうか。調査担当者はこう答えた。

「社会的に認知度がまだまだ低いのでしょう。ひと昔前は『050番号』を気にされる方も多かったので、その思いを引きずっている方はいらっしゃると思います。また、通話にネット回線で利用するため、ネット回線の環境を考慮する必要があったり、通信環境によっては通話品質が劣ったりすることから、利用率が低いことが考えられます。ただ、過去と比べて050への抵抗感は薄れてきているので、コロナでの在宅勤務などをきっかけに利用率は高まってきていることが考えられます」
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