気になる「長期金利」の上昇傾向...それにともない、「住宅ローン金利」今後どうなる? 専門家が解説【1】(中山登志朗)

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新発10年物国債利回り...6月に一時、「0.25%」を上回ってしまい...

   このような金融政策の違いによって、主に日米の金利差が拡大することになり、円を売ってドルを買うという流れが生まれています。

   それにより、円安に推移することで、輸入品のコストアップがさらに加速して、国内のインフレ率も今後高まるのではないか、との懸念があります。

   そうなれば、金融緩和策の継続ではなく、金利を引き上げて「金融を引き締めよ」との声が高まることも考えられます(それでも金融緩和策を継続せざるを得ないのは、主要先進国のなかでは突出して多いGDP比2.5倍に相当する国債発行額約1026兆円の存在が大きいと言われています)。

   しかも、金融緩和策によって、限りを設けないで必要な金額の長期国債の買入れを行うこと=「指し値オペ」を実施することで、市場にある大半の国債を購入した結果、購入可能な国債がわずかとなって、それ以上のコントロールができなくなり、金利が上昇してしまうという皮肉な現象も発生しました。

   上記のように、長期金利=新発10年物国債の金利を0.25%以下に誘導することが目標の日銀の金融政策は、6月初旬に0.25%を上回ってしまい、しばらくの間、関係者を慌てさせることとなりました。

   <気になる「長期金利」の上昇傾向...それにともない、「住宅ローン金利」今後どうなる? 専門家が解説【2】(中山登志朗)>に続きます。

(中山登志朗)

中山 登志朗(なかやま・としあき)
中山 登志朗(なかやま・としあき)
LIFULL HOME’S総研 副所長・チーフアナリスト
出版社を経て、不動産調査会社で不動産マーケットの調査・分析を担当。不動産市況分析の専門家として、テレビや新聞・雑誌、ウェブサイトなどで、コメントの提供や出演、寄稿するほか、不動産市況セミナーなどで数多く講演している。
2014年9月から現職。国土交通省、経済産業省、東京都ほかの審議会委員などを歴任する。
主な著書に「住宅購入のための資産価値ハンドブック」(ダイヤモンド社)、「沿線格差~首都圏鉄道路線の知られざる通信簿」(SB新書)などがある。
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