新発10年物国債利回り...6月に一時、「0.25%」を上回ってしまい...
このような金融政策の違いによって、主に日米の金利差が拡大することになり、円を売ってドルを買うという流れが生まれています。
それにより、円安に推移することで、輸入品のコストアップがさらに加速して、国内のインフレ率も今後高まるのではないか、との懸念があります。
そうなれば、金融緩和策の継続ではなく、金利を引き上げて「金融を引き締めよ」との声が高まることも考えられます(それでも金融緩和策を継続せざるを得ないのは、主要先進国のなかでは突出して多いGDP比2.5倍に相当する国債発行額約1026兆円の存在が大きいと言われています)。
しかも、金融緩和策によって、限りを設けないで必要な金額の長期国債の買入れを行うこと=「指し値オペ」を実施することで、市場にある大半の国債を購入した結果、購入可能な国債がわずかとなって、それ以上のコントロールができなくなり、金利が上昇してしまうという皮肉な現象も発生しました。
上記のように、長期金利=新発10年物国債の金利を0.25%以下に誘導することが目標の日銀の金融政策は、6月初旬に0.25%を上回ってしまい、しばらくの間、関係者を慌てさせることとなりました。
<気になる「長期金利」の上昇傾向...それにともない、「住宅ローン金利」今後どうなる? 専門家が解説【2】(中山登志朗)>に続きます。
(中山登志朗)