JR東日本は5177億円の巨額な経常赤字
通勤・通学輸送の主軸であるJR各社も旅客の減少に苦しんだ。
JR東日本は2021年3月期には単体で5177億円と巨額の経常赤字となった。2022年3月期決算の内容は、単体で営業収益が1兆4142億円と、1495億円の営業赤字。最終損益も992億円の赤字となった。
2019年3月期末のキャッシュ残高は2637億円であったが、2020年3月期末には1538億円まで、1099億円減少した。
キャッシュ不足に対して、2020年3~4月に無担保の約束手形、CP(コマーシャル・ペーパー)と社債で3650億円を調達した。さらに、4~5月には銀行から1500億円の借入をしたのに加えて、当座借越枠を利用して2600億円を確保したという。
コスト削減のため、房総各線や相模線、宇都宮線、日光線などでワンマン運転を行うほか、山手線などで自動運転に向けた試運転を始めた。また、駅の「みどりの窓口」の削減を進めており、2025年には70カ所程度とするという。
JR西日本も2022年3月期決算で営業収益が5776億円で、営業損益は1270億円の赤字、最終損益は1216億円の赤字となった。
構造改革として2022年4月入社の採用人数を前年の約750人から大幅に減らした約200人とした。運転士や車掌、事務部門の人員を約800人削減することも計画している。
西武ホールディングスや近鉄グループホールディングスのように、ホテル・旅行業をグループに持つ鉄道会社も打撃を受けた。