続いてしまったスシロー不祥事、顧客離れに影響...いまこそ組織の「風土改革」必要では?(大関暁夫)

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一連の不祥事は一過性のミスなのか?

   最初の事件を受けておこなわれた同社の社外取締役と外部弁護士による調査報告では、「キャンペーン商品の欠品に対する顧客からのクレームは決して少なくなかったにも関わらず、かかる事態を放置した」とあり、この対応をみるに、どうも一連の不祥事は一過性のミスというよりも、企業文化に起因した根深いものなのではないか、とも思われるところです。

   企業文化に問題ありと考えれば、一度犯した大きな過ちの直後に、全く同じような形でその直後に再び犯してしまう、という異常事態にも合点がいくと考えられるわけです。

   また、報告書に、「おとり広告に関する十分な知識がなかった」との記載がある点にも注目です。

   スシローは、回転寿司業界でトップを行く業界のリーダー企業です。このコメントが社内関係部署ヒアリングによるものであるならば、多くの消費者相手にビジネスを展開する業界トップ企業として、本件は単に不祥事を起こしたということだけでなく、その立場をわきまえていない経営姿勢という点から、大いに非難に値する事由であるといえるでしょう。

   経営姿勢ということで申し上げれば、スシローは相次ぐ不祥事で世間を騒がせていながら、トップが一向に会見などの形で表に出て来ていないという問題もあります(トップを含めた一部役員の報酬返上のみリリース発表)。

   一度の不祥事ならばまだしも、二度三度同じような問題を立て続けに起こしている以上、上場企業かつ業界トップランナーという立場からは、責任者が会見し謝罪、説明するのが常識的な対応であるのではないかと思うのです。

大関暁夫(おおぜき・あけお)
スタジオ02代表。銀行支店長、上場ベンチャー企業役員などを歴任。企業コンサルティングと事業オーナー(複合ランドリービジネス、外食産業“青山カレー工房”“熊谷かれーぱん”)の二足の草鞋で多忙な日々を過ごす。近著に「できる人だけが知っている仕事のコツと法則51」(エレファントブックス)。連載執筆にあたり経営者から若手に至るまで、仕事の悩みを募集中。趣味は70年代洋楽と中央競馬。ブログ「熊谷の社長日記」はBLOGOSにも掲載中。
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